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第1379話

コンビニから出てきた長岡と、今度は駐車場を目指す。 静かで空気が冷たくて、だけどどこかに春の気配を感じる。 寒い毎日はもうすぐ終わるらしい。 冬の長岡に会えるのも、もう僅かなのかと思うとなんだか少しだけ寂しい気がする。 隣でブラ付く手をそっと掴んだ。 「ん? どうした」 「んーん。 なんだか、手を繋ぎたい気分です」 「遥登が見られても良いなら大歓迎。 つっても、駐車場すぐそこだけどな」 今度はしっかりと絡めとられ、ほんの数分手を繋いで歩いた。 もっと駐車場まで遠かったら良かったのになんて思ったりしたのは秘密。 長岡は笑ったりしないだろうが、感染者数が多くなればお互いや生徒達を守らなければならなくなる長岡には負担になってしまうから。 だから、今は秘密。 いつか言える日がきたら、思いっきり手を繋いで散歩をしたい。 朝でも、昼でも、夜でも。 いつでも。 消雪パイプの水と、それで溶けた雪だった水は排水が追い付かないのか薄く足元に広がる駐車場へとすぐに到着してしまう。 繋いでいた手を離すのは惜しいが恋人の愛車へと乗り込れば全身を隈無く包む恋人のにおい。 これはこれで好きだから複雑だ。 「手ぇ、出してくれ」 「はい」 スリスリとアルコールジェルを刷り込み、それから飲み物が手渡される。 外気で冷えた手にはコンビニのホットドリンクは熱くてすぐに足の上へと置いた。 あつい……なんで正宗さんは普通に持てんだ…? 当の本人はコンビニの袋を覗きながら更に購入品を取り出している。 「ほら、熱いから気を付けろよ」 「ありがとうございます」 肉まんと餡まんを買い、各々を半分に割る。 そして、半分を交換してどちらの味も楽しむ。 当たり前のようにそうする事が嬉しい。 まるで……いや、もう家族だ。 薬指に嵌まる指輪がそれを知らしめる。 「いただきます」 「いただきます」 はふっと頬張れば薄甘い記事としょっぱい肉餡が口の中をしあわせいっぱいにしてくれ、思わず頬を緩めた。 長岡と食べる食事は更に美味しい。

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