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第1382話

「気を付けて帰れよ」 「はい。 送ってくれて、ありがとうございます」 自宅前へと続く道路の曲がり角で、あと少しを引き伸ばす。 あと少し、もう少し。 話す事がなくても指に触れたりを繰り返す。 「消化不良じゃねぇか?」 「……はい」 「不良だな。 悪い。 また、通話越しになっちまうけどセックスしような」 「あ……、その……正宗さんは、なにも悪くないです…」 長岡は三条のマフラーを整え、そのままの手で頭も撫でた。 先程と真逆の姿をみせている。 だけど、本質は変わらない。 2人共が、大切な人を大切にしたい。 愛おしい人の隣にいたい。 しあわせにしたい。 それだけの、とても簡単な理由だ。 「明日もデートしような」 「はい」 「久し振りにドライブでもすっか?」 「好きです」 激しいセックスをする関係でも、こんな小学生のような事で一喜一憂出来る。 ふにゃっと笑う三条と、同じような顔をした長岡はもう少しをあと少しだけ更に引き伸ばす。

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