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第1384話

長岡は風呂を済ませ、まだ襟足がしっとりしたままカメラの前へと座り込む。 パッと顔色の変わった恋人に、甘いそれを返した。 「ただいま」 『おかえりなさい。 しっかり乾かしましたか?』 「乾かしたよ。 明日のデート楽しみだもんな」 ふにゃふにゃした顔を隠さず見られるのはオンラインだからなのが悔しいが、素直に嬉しいとも思う。 やっぱり三条は笑った顔が良く似合う。 その顔が見たい。 それは確かな原動力だ。 離れがたくても離れなくてはいけなくて、帰宅後すぐに通話アプリで恋人の部屋と自身の部屋を繋げた。 こんなに人を愛おしい思うのははじめて。 そう思える人が三条で良かった。 分かち合うなら三条とが良い。 「どこ行くかな」 『正宗さんと一緒ならどこでも。 あんまり市から離れちゃうと案内できませんけど、車ならナビがありますし安心ですね』 地図アプリの案内も頼りになる。 例え、三条が車内で寝てしまっても大丈夫だ。 「任せとけよ。 来た道戻るくらいなら出来るって」 『正宗さんの事は信じてますよ。 でも、こっちは細い道も一方通行も多いですから』 「あー、確かに歩いてる分には良いけど車だと小回り効かねぇしな」 先程飲んでいた残りのお茶をペットボトルから呷りながら、細い道を思い出す。 新幹線の停車駅や映画館、商業施設もある豊かな地ではあるが、1本奥の道へと入れば細い道が抜け道になっている。 田んぼや畑、川もあり、不思議な感覚になる時があった。 あの町は程よいのだ。 田舎というには賑やかで、都会というには緑が豊か。 程よいバランスがなんとも恋人に似ている。 『でも、迷ったら一緒にいられる時間が増えるので嬉しいです』

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