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第1392話

ペットボトルから飲み物を煽り渇いた口や喉を潤す。 意識してしまったせいか、やけに渇いている。 だけど、あまり飲み過ぎてはトイレに行きたくなってしまいそうだ。 この時間にトイレを借りられるのは、公衆トイレかコンビニのみ。 今来た道を戻るなら、そろそろ帰るかと言われてしまう可能性もなきにしもあらず。 それでは、折角のドライブデート─今に至ってはお菓子を食べているだけだが─が勿体ない。 折角の2人っきりだ。 「遥登、これも美味いぞ」 「ありがとうございます。 いただきます」 個包装のお菓子を手渡される際に指が触れた。 なんだか触れた箇所の熱がひかない。 好きで好きでしかたがない人と同じ空間にいられるんだから、しかたがないよな。 そう自身に言い聞かせる。 付き合いたての甘酸っぱい気持ちが込み上げてくるのが、なんとも恥ずかしいのだが、それでも、その気持ちさえ愛おしい。 チラッと盗み見た恋人はマスクを顎に引っ掛けお菓子を食べていた。 部屋で何度も見てきたが、やっぱり横顔のEラインや続く喉のラインが綺麗。 日本人離れしていて、だけど海外の方より彫りは深くない。 甘いが男性アイドルのように甘ったるい砂糖顔でもなく、サイダーみたいだと思う。 例えにあんまり自信はないけど。 「ん?」 「いえ。 いただきます」 長岡から貰ったお菓子の包装を破り齧り付いた。 「っ! 美味しいです!」 「だろ。 遥登の好きな味だと思った」 「好きです! これ、新しいのですか?」 「期間限定だってよ」 「年中食べたいです」 漸くふにゃふにゃしはじめた三条は長岡と楽しく時間を過ごす。

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