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第1399話
「お待たせ」
「うまそっ。
いただきまーす!」
「ゆっくり食えよ」
三条も腰を下ろしフォークを持ったところで、買い物から帰ってきた音がする。
自動車のエンジンを切り、降りる。
楽しそうな声でなにかをうにゃうにゃと喋っている。
玄関のドアを開けて……なのに、父も母も末弟もリビングへと顔を出さない。
もぐもぐと頬袋を動かす次男と目があった。
「なにしてんだ?」
「なんだろ?」
すると、漸く父親がドアを開け、隙間から小さな頭が駆けてきた。
「みーて!」
小さな鞄を斜めにかけて、真新しい帽子も被っている綾登。
「お、格好良いじゃん」
「お兄さんみたいだな」
「んふーっ。
あ!
ぽぽたん!」
「食う?」
「おてて」
興味がコロコロと代わり、表情もクルクル代わった。
ととーっと駆け、ズレた帽子を小さな手が直す。
それでもまたズレるのを止めたのは父親の大きな手。
それから母親が隣にならび、一緒に手洗い。
「へへっ」
「じぃじとばぁばにも見せような」
「写真も撮らせてね」
「んっ!」
弟が帰宅して、一気に家が賑やかになった。
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