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第1433話

自宅の脱衣所で着衣を脱ぎ捨てると、身体に残る男の痕跡に昼間の事を思い出してしまう。 足を丁寧に舐められ、オナニーを見て貰った。 そして、あの綺麗な顔にぶっかけた。 たった数時間前の事だが、すごく扇情的な時間だったのは間違いない。 肌に書かれた文字の1つひとつを指でなぞり、それを書かれた時の恋人を思い出す。 『俺の遥登な』 『やぁらし』 『愛してる』 溶けそうな甘い刺激が、いまだ身体に残るようだ。 家族の前では普通の顔を取り繕っていたが、きっと此方が自分の欲に正直な本当の自分。 そんな気がしてしまう。 それに、濃厚な接触が嬉しかった。 舐められた。 1年ぶりの長岡の舌。 それを感じる事が出来た喜びは消えない。 守って貰っているから、我が儘なんて言いたくはない。 けれど、三条だって触れたい。 触れられないと思う。 素直な気持ちだ。 写真……俺も撮っとこ 自身の貧相な身体を数枚写真に納めた。 動画もあるが、動画は動画。 写真は写真。 各々自慰の時にお世話になるだろう。 三条は、履き直した下着を洗濯機に放り込み浴室へと足を踏み入れた。 洗い流してしまうのは勿体ない。 だからと言って、ずっと残しておけるものでもない。 勿体ないなと思いながらもシャワーを浴び身体を清めていった。

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