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第1441話
先程からニヤニヤしている長岡は至極ご機嫌だ。
「にやけてます」
「顔、変か?」
「格好良いです…」
こんな綺麗な顔の人から好かれるなんて今でも時々夢なんじゃないかと思ってしまう。
9歳も歳の離れた大人で先生で。
自分ばかりが好きみたいに思ってしまう時がある。
だけど、きちんと愛してくれているのを知っている。
薬指に光る指輪はその証拠。
勝手に好き、好き、となっているだけだ。
「俺って愛されてんだな」
「知らなかったんですか…?」
「いや、好きって丸分かりの顔して見てるくるから知ってた。
その顔すげぇ好き」
そんな自覚はないだけに恥ずかしい。
それに、外で偶然出会った時にそんな顔をしていたら周りにバレてしまう。
長岡が教職を終われるなんて絶対に避けたい。
気を付けなければ。
「だけど、遥登が実際妬いてんの見れて嬉しかった。
すげぇ、好きなんだなって」
「1番好きです…」
「1番か。
嬉しいな」
繋いだ手を引かれ、長岡の方へと引き寄せられた。
「わ…っ」
「俺は世界で1番愛してる。
旦那さん」
「っ!!」
良い声で言われた言葉の意味を理解するより早く身体が熱くなった。
「あ、え……と、」
「交換したもんな」
「………は、い」
長岡の纏うやわらかな空気に触発されたのか、嫉妬心は次第に落ち着いていく。
長岡は自分を愛してくれている。
それは紛れもない事実だ。
「…正宗さん、愛してます」
「俺も、愛してます」
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