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第1454話

いつも利用している駐車場へと来ても、手は離さない。 他より明るい街灯があるが、そんなのどうでも良い。 最優先は恋人。 今日は、甘やかすと決めた。 三条を後部座席へと乗せると、長岡もそこへ乗り込んだ。 いつもなら運転席に座るのに驚いたのだろう。 そういう顔をしている。 「あの……」 「ん? あぁ。 昼寝、いや昼じゃねぇか。 でも、一緒に寝んだよ」 そう言うと、三条の目が嬉しそうに大きくなった。 可愛い可愛い恋人にブランケットを被せ、もふもふにしていく。 いくら車内でも寒いものは寒い。 風邪なんかひかせたくはない。 だけど、一緒に寝るのは決定事項だ。 「昼寝は次、部屋に来た時な。 今日はちょっとだけ先取り」 「良いんですか」 「勿論。 三千世界の鴉を殺し、ってあんだろ。 俺は、この世界中の奴から反感を買っても遥登と一緒に寝てぇの」 三条がブランケットでくるまれもふもふになると長岡は笑った。 自分がしたのに楽しそうな顔をするから三条はなにも言えなくなる。 「1時間な。 アラームかけとくから」 「はい」 最後にブランケットの下で手を握り合った。 それが、どんなに嬉しいか。 泣きたい気持ちになるか、テレビで偉そうな事を言う人達は知らないだろう。 この気持ちを教えてやりたい。 だけど、これは、俺だけの気持ちだ。 お前らに分けてやるもんか。 コツ、と頭がぶつかると目を閉じた。 今だけ、世界で2人きりになる。

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