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第1459話

「全裸で四つん這いになれるか」 返事のように、ゴクッと喉が鳴った。 「は、い」 服を脱ぎ、保温効果のある肌着も床に落とす。 そのままベルトのバックルをはずし、チラリと長岡を見た。 たおやかな笑みを浮かべたまま、その目に雄の色を滲ませる。 その目を見るだけで発情してしまうほど、抱かれ慣れた身体はあさましくも期待に震える。 早く喰われたい。 「ほんとに治ったんだな」 「え、」 「いや、なんでもねぇよ。 ほら、パンツも脱げ」 一瞬なんの事かと思ったが、先程も言っていた蕁麻疹だろう。 赤みも消え、すっかり真っ白だ。 長岡が気に掛けてくれたから。 ストレスを発散させてくれたからだ。 「ありがとうございます」 「なんもしてねぇよ」 長岡は、いつもさも当たり前だという顔をする。 何度感謝しても足りない。 悪い大人だけではないと思えるのは、長岡のお陰だ。 そんな信用出来る大人と、真っ昼間からイケナイことをする。 いや、イイコトか。 パンツも脚から引き抜くと手から落とした。 着衣を身に纏った長岡と、全裸の自分。 まるでこの関係のようだ。 主は目の前の男。 自分は犬。 恥ずかしくてたまらない。 なのに、それ以外の感情もある。 甘くてドロドロしたこの気持ち。 きっと、長岡を好きだと自覚した日から変わっていない。 「脱ぎ、ました…」 「良い子だな。 おいで」 浴室は、先程のシャワーのお陰であたたかい。 床もそうだ。 犬扱いする長岡だが、そこに優しさがある。 だから、こわくない。 三条はペタンと床に手足を着けた。

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