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第1460話
四つん這いになると長岡との身長差がすごく開く。
その分だけ威圧感が増して見えた。
そうでなくとも大きな人だ。
飼い主というのにピッタリ。
「寒くなったらすぐに言えよ」
「はい」
はい、で良いのだろうか。
犬のようにワンと鳴いた方が好みだろうか。
長岡の好みは後者だ。
だけど、犬になった訳ではない。
人間の言葉で大丈夫なはずだ。
様子を伺いつつ見上げる恋人はシャワー手にし温度を確認している。
手で湯加減を確認する様を見つつ、そんなに気遣わなくて大丈夫なのにと思った。
時間が惜しい。
帰宅時間から逆算してしまう。
嫌な頭だ。
カタン…と音の方に視線をやるとヘッドが外されていた。
「やんぞ。
力むなよ」
ホースが突っ込まれ、カランが動く。
1つひとつがやけにゆっくりに感じられる。
だが、すぐに腹が満たされいく感覚に、すぐに忘れてしまう。
「ぅ゛……」
内側がら容赦なく責める水に鈍い声が漏れたが、まだ大丈夫だ。
はー、はー、と大きくゆっくり身体を落ち着かせる。
これは、生理的な排泄ではない。
自分の意思で吐き出すんだ。
大丈夫。
我慢出来る。
何分、待つんだろ
3分、5分。
10分。
帰宅時間に限りがある以上、奥に行きすぎないようにそう長くはないだろう。
受け入れる直腸さえ綺麗なら。
なら、堪えられる。
「あぁ。
犬には、首輪が必要だよな。
持ってくるから良い子で“待て”出来るよな」
「え………」
細められた目は笑っていない。
つまり、これは命令だ。
なら、従わなくてはいけない。
アナルをぎゅぅっと締め、頷いた。
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