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第1461話
首輪を手に戻ってきた恋人は、濡れた床に片膝を付き顎に触れた。
あたためる為に撒いた湯でボトムスが濡れるのも構わずにするものだから、ジワジワとシミが広がっていく。
「濡れちゃいます」
「気にすんなよ。
どうせ汚れんだ」
「でも……」
「んな事より顔上げな」
「は、い」
顔─特に顎─を上げるよう指で示されそれに従った。
すぐにカチャカチャと金属と首への圧迫感を感じる。
この瞬間はいつまでも慣れない。
犬用の首輪を首に巻かれリードを繋げられる。
プレイだと頭で解っていても、いやらしい。
倒錯した行為だ。
こんなの長岡としか出来ない。
最後に猫にするように顎の下を擦られた。
「ん。
やっぱ、よく似合う」
褒められて嬉しい。
恍惚な表情を浮かべる三条に、長岡も艶やかなものを称える。
スイッチは完全にセックスの方へ入っていた。
発情した顔は長岡には隠せない。
長岡の言葉は絶対だ。
あ、やば……
腹痛くなってきた……
次第に腹がギュルギュルと鳴りはじめ、我慢するように腹を抑える。
そんな事で我慢が出来る訳でもないし、痛む腹が治まる訳でもない。
それでも、身体を丸めてしまう。
オンライン授業になってから、あまりトイレを我慢する機会もなくなった。
授業外にトレイへ行くのも簡単。
まして自宅のものだ。
なんの遠慮も配慮もいらない。
甘やかされた身体に浣腸の刺激は強かった。
「こんな水でダプダプにしやがって。
早く俺のブチ込みてぇな」
視線だけを上げると肉食動物の目が自分を見下ろしていた。
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