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第1473話

トイレだ。 トイレ。 タンクに抱き付くようにし、漸く個室内へと入れた。 ほんの数歩の距離なのに、すごく長い道程だった。 よく漏らさなかったと褒めてやりたい。 「ハァ……、ハ…ァ」 「よく歩けました」 あんなに腰をピッタリと押し付けたまま歩幅に合わせてくれたからであって、もう気を抜いたら出てしまう。 限界は寸前だ。 腹の奥、腸がどこにあるのか解る。 此処をこういうカタチで体内に収まっていると身を持って理解した。 それくらいもういっぱいいっぱいだった。 「…だ、して…良いですか」 だけど、いまだ長岡の腰はピッタリとくっ付き体内に埋ったままだ。 「出してる時の顔、撮っても良いか?」 「な…に…言って……」 「動画、撮っても良いか?」 疑問符が付いた質問だ。 その筈なのに、答えは既に決まっている。 どうしたってそれは揺るがない。 いや、長岡は尊厳は大切にしてくれる。 だから、本気で嫌がる事はそめそもしてこない。 つまり、これは、心のどこかで自分も望んでいるんだ。 「…………撮って、ください……」 便器を跨ぐように脚を大きく拡げられる。 こんな体制では腹に力が入れられず焦ってしまうが、長岡の足がそれを許さない。 「あ…っ」 「もう限界だろ。 すっきりしような」 目の前にはインカメ状態のスマホが差し出され、腰を掴んでいた手が顎を掴みそれを真っ直ぐに捕らえさせる。 自分の顔を見ろと無言の命令。 本物のサディストだ。 けれど、自分も大概だ。 こんな羞恥に合いながらも自分のモノも萎えていない。 「抜くからな」 汚い音と共に重かった腹が軽くなっていく。 そして、目の前のカメラにはそれを喜ぶ男が2人映っていた。

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