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第1474話

腹がスッキリし、ボーッとする。 中身がなくなって腹が減った。 アナルが疼く。 寒い。 撮られている。 関係ない事や、変な事ばかりが頭に浮かぶ。 越えてはイケないラインな気もするけど……きもちかった、…… 癖になったらヤバい…… セックスもとても気持ちが良いが、排便は人間全員が快感を感じる瞬間だ。 赤ちゃんだって腹に溜まっていたものが出ていくのは快感を感じるだろう。 それも、我慢に我慢を重ねた時なら尚のこと。 カラカラとなにかが回転する音に意識を戻すと、尻にふわふわしたものが触れた。 「え…、正宗さん、なにして」 「ん? ケツ拭いてるだけだろ。 あー、やっぱ拡がってんな。 口開けちまって」 「自分で出来ますからっ。 駄目ですっ、流石に出来ますからっ」 三条は慌ててレバーを下げた。 この人には嗅覚がないのか。 視覚だって酷いのに。 いつの間にかカメラはどこかに消え、セックスの準備中とは思えない賑やかな声が充ちていく。 「60年後の予行練習だと思えばなんともねぇよ」 「正宗さんの方が先かもしれないじゃないですか…っ。 90歳ですよ…っ」 手首を掴もうとし、逆に長岡にその手を掴まれた。 「おいっ、噛んだのか」 「え、あ……ほんとだ」 腕にはくっきりと歯型が残っている。 声を押さえる為に目の前のものに噛み付いたが、こんなになっているとは思わなかった。 「俺だって噛みてぇのに」 「すみません……」 「いや、俺が声出すなつったからだろ。 後で消毒するから大人しくケツ拭かれとけ」 20歳を過ぎて下の世話をして貰うなんて……セックスの後はよくして貰っているが恥ずかしくてたまらない。 末の弟みたいだ。 「拭き終わったらもっかいな」 「え……」

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