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第1477話

腹を擦る大きな手。 まるでまさぐるように触れているのに、感覚としては愛おしいものを撫でているかのよう。 「いつもはうっすい腹なのに、こんな膨らんで。 苦しいだろ? 楽になりたいだろ? なぁ、遥登」 甘い誘惑。 悪魔の囁き。 目の前の男は、悪魔なんかじゃない。 大切な、大切な愛おしい人。 なら、従うべきか。 自分に酷い事をしないと知っているから安心出来る。 身を任す事が出来る。 そうだろ。 「かわいー顔して、押されんの期待してる?」 してないと頭を振るが、長岡の顔は変わらない。 「押しっ、」 「ん?」 グッと一瞬力を入れられた。 恋人の大きさに馴染んだアナルからポタポタと水が零れる。 この体制での排泄はすごく恥ずかしい。 人間としてイケない気がする。 けれど、長岡がやめてくれるはずもなく。 臍をの周りをくるくるとなぞられ変なところに力が入ってしまう。 力をどこに入れたら良いのか分からなくなっていく。 「かわい」 「……」 「すげぇかわい」 「……」 「すげぇ好き」 「…………俺も、です」 漸く開いた口に長岡は笑みを溢した。 「好きだけは伝えてくれんだな」 「だって……言わなきゃ、寂しいですから」 「この顔見たら分かるよ」 こうやって甘やかすから嵌まってしまう。 沼だ。 底無し沼。 綺麗な顔に近付けば、脚をとられる。 そして深くふかく沈んでいく。 沼の底もあたたかくて、心地よくて。 「正宗さん……」 「俺の目見てろ。 逸らすなよ。 マスクの代わりにタオル当ててるから大丈夫だ」 「……だって」 「恥ずかしい?」 「とっても、」 「だから良いんだろ」 甘い誘惑に腹から力を抜いた。 どちらにせよ、もう力なんて込められない。 ビシャビシャと水が跳ね返る音がする。 気持ち良い。 膨れた腹が戻っていく。 「……ぁ………、」 「ははっ、良い顔。 撮っとけば良かったな」

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