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第1484話
開花。
こんなに作品的な表現の似合う瞬間を間近で見る事が出来て光栄だ。
自分の求める欲を表現した谷崎潤一郎が耽美主義者と表現されるなら、自分だって耽美主義者だ。
美しいと思うのは三条だけ。
その子と貪る性はとても気持ちが良い。
満たされる。
三条至上主義だ。
言ったもん勝ちなら、そう言う。
「お゛…ぐ…」
「苦しいか」
「……は…っ、…ん、ん」
薄い腹を抑え眉を八の字にして堪えながらも、うんとは言わない。
三条は、そういう子だ。
だが、顔色を見ていれば痛みを感じていない事だけは分かる。
この顔は、そういう顔ではない。
何度もセックスし覚えた。
痛がる瞬間の顔も、気持ち良くて頭が馬鹿になる顔も、もっとを強請る顔も。
すべてこの頭が記憶している。
その証拠に、三条のあたたかい手が下半身へと伸びてきた。
下腹部に誘うように触れ、ゆっくりとおろしていく。
焦らすようにゆっくりと。
それから勃起した陰茎に顔を寄せる。
まだあどけなさの残る顔をそんな箇所に摩り寄せ、強請るように見上げられてみろ。
ブチ犯したくなる。
「まさね、さんと…なら…ぜんぶ…っ、ぅ、すき」
性器に顔が触れた。
シリコンが奥まで入り込んできて慣れない刺激に耐える健気さも、加虐心を煽るだけだ。
今はなにをされても興奮するだけ。
自分の身体なのに止め方が分からなくなる。
綺麗だから汚したい。
自分の汚れを纏わせマーキングしたい。
飼われているのは自分の方だ。
外せない首輪を付けられている。
「だめ……、ですか…?」
「悪い事ばっか覚えやがって」
普段なら可愛らしい印象のきゅっと上がる口端に艶やかさが加わる。
自分しか見る事の出来ない顔に、長岡も同じものが浮かぶ。
「…いただき、ます」
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