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第1490話

美味しい。 もっと舐めたい。 先を舐めとる舌の動きを止められない。 「……ハァ、」 尿道に残るソレを吸っていると長岡は数度息を吐き出し整えた。 たったそれだけでも、色気を駄々漏れにさせていて艶やかだ。 腹筋や鼠径部のくっきりした陰も男らしくて好き。 全部、全部好き。 「それはまだ飲み込むな」 「…?」 長岡がそう言うならと訳も分からず頷く。 いくらか嚥下したもののにおいは喉にこびり付いている。 鼻から抜ける男のにおいに酔っているようだ。 なのに、我慢を強いられる。 「あーん」 「あ……」 口の中を見られるのは恥ずかしく、小さく開けた。 主の言葉に逆らうなんて出来ない。 だけど、これは自分自身の意志だ。 そこに避妊具をつけた指が入り込んでくる。 ぐちゅぐちゅと掻き混ぜられ、唾液と精液が合わさった。 体液は違うが、長岡のと混ざり合えるのが嬉しい。 とろんと蕩ける目がそれを長岡にも伝える。 「あー、いいねぇ。 その顔」 オナニーをしながら口の中の精液を掻き混ぜられるなんて、なんてはしたないんだろう。 欲に貪欲であさましい。 恋人に見られたくない姿のはず。 けれど、それは全部裏返しだ。 見て欲しい。 気持ち良くして欲しい。 気持ち良くなって欲しい。 本当の自分の気持ちはこっち。 「オナニーも気持ち良いな」 「ふぁ、い……」 「でも、そんな動きじゃ足んねぇだろ」 上から退かれ、隣に腰をおろす姿を口を開けた間抜けな顔のまま見ていると、ガシッとティルドを捕まれた。 やばい。 そう思うのと同時にアナルへの刺激が激しいものへとかわった。 引き抜かれる度に縁が捲れる。 奥を突かれる度に内蔵が位置をかえる。 そんなはずなのに、体感はそうなんだ。 アナルを中心に揺さぶられる。 そう例えるのがピッタリだ。 開いていた口を閉じ、精液を溢さないように努める。 それだけではない。 まだ“よし”をもらっていない。 飲んだっていけないんだ。 「ん゛…っ、ふぐ…ッ、う゛……」 「すげぇ声。 そんなにきもちい? 我慢出来ねぇ?」 「ふッ、う゛ぅ゛…っ、うッ」 「あぁ。 精液溜めてんのか。 良い子だな」 多分褒められている。 だけど、手の動きはそれとは逆。 しかも、腹を手で押さえてきた。 下腹部を押され狭くなった内蔵を突き上げられ、よりミチミチと長岡の真似物のカタチを痛感する。 こんな、の…やばい……っ やばい、やば…………ぃ、 圧倒的に酸素が足りない。 アナルが気持ち良過ぎる。 腹に触れる長岡の手が嬉しい。 脚が自分の意思とは関係なくピクピクと震えた。 もう、身体が自分の思った通りに動かない。 「ぅ゛……っ、う゛んっ、ン゛ッ」 なんとか動かせる視線を長岡へと向けると、見詰めあったままドライをキめた。

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