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密着した飲み口からなだれ込んだゼリーがところてん式に先に入っていたのを押し…… 押し出されたものは、行き止まりの壁を突き破った。 その瞬間。 頭の先まで、電流のように快感が突き抜けた。 「あ……あぁ、は…… 」 快感の余韻で、身体が短く痙攣する。 肩で息する俺のこめかみに、本郷が優しいキスをした。 「な…… なんか、今…… 」 「()かった?」 素直に認めるのも悔しくて、俺は口を閉じた。 見たこともないから分からないけれど、ゼリーは尿道から膀胱に流れ込んだ…… ような気がする。 そのどこかに、ものすごくイイ、スポットがあって…… 「なぁ、先っぽからなんか溢れてっけど、これ、なんの汁?」 にやにや笑いの本郷にそう聞かれても、俺にだって全然わからない。 ただなんか、恥ずかしい…… そう思った。 「まだ残ってるから、とりあえずこれは全部入れちゃおうな。」 「あぁっ、あ、やぁ、あ、は、あぁ、あ…… っ」 奥へ奥へと押されたゼリーがそのスポットをこするたび、全身に甘い快感が走る。 膀胱に溜まっていくゼリーに本能では危機感を覚えるのに、そんなことがどうでもよくなるような快楽に、溺れそうになる。 寸止めの、弾ける手前のじれったいような快感が、ずっと続くみたいな感じだった。 本郷のを後ろに挿れられて、中をゆっくりこすられてるときに近い。でも、それともまた違う。 たぶんこれは、やったやつじゃないとわからない感覚。 どこが気持ちいいのかさえ、もうよく分からない。 本郷の手の中のパックには、ほとんど中身がなくなった。 腰がガクガクと震える。 「は、あぁ…… っ!」 パックが握りつぶされ、最後のゼリーが押し込まれたとき、まとまった量のゼリーが壁を突き破る感覚に、身体がビクッと跳ねた。 「これで、全部かな。どぉ?どんな感じ?」 本郷が飲み口を離すと、鈴口からゼリーがダラダラと垂れた。ヨーグルト味のゼリーは白濁だ。俺の体液じゃないと分かっているのに、見た目が似ていて見るに耐えない。 「ど…… どんな、て…… 」 話そうとすると、先っちょから、白濁の液体がジュル、ジュルリと垂れる。 しゃべると腹圧がかかり、ゼリーが出て行く気がして、俺はとにかく自分のちんこの感覚に集中した。 「こぼすなよ?できるだけ、ガマンしてろ。」 そう耳元でささやかれて、 だって、だってこれ…… どうしたらいいのかホント分かんねえんだよ…… そう思うとだんだん涙目になった。 「海老沢、こっち向け。」 そう言われ、右を向くと喰われるみたいに唇を吸われた。 固く尖らせた舌先が、上顎の凹んだところを撫でる。 本郷は知ってるんだ。俺がそこ弱いこと。 俺はもともとキスはそんな好きじゃなくて、しかも男同士だし、エロ目的ならそんなん要らないだろって思うから、普段は本郷もあんましてこない。 でもそこは、上顎の凹みは、自分で触ってもなんともないのに、本郷にこすられると、脳みそ溶けそうになる…… そんで、逆にアレは硬くなっちゃうんだよな……

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