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肉が膨張して通路が狭くなったのか、上を向いた先っちょからはゼリーがちょろちょろと垂れていた。 本郷はそのゼリーをすくい、濡れた手筒で竿をしごく。普段使ってるローションより、「こいつの手でこすられてる」って感覚が強い。 「んぅ、ん、んーん、んーー…… っ!」 こんな状態で、こすんなよぉっ! 口が塞がれてるから、文句も言えない。 本郷がシートの上にゼリー飲料のパックを捨てた。それを横目で捉えた俺の目は、その右手の行く先を、夢の中みたいにぼんやりした頭で追う。 本郷の長い指が、俺の股間にできた水たまりに浸されて、指先ですくい取ったゼリーを…… 「んんん…… っ!」 ジュルッ、と、ちんこの先っちょからひとかたまりのゼリーが飛び出した。後ろが呑まされたゼリーの分の代わりみたいに。本郷の濡れた指が、ゼリーをローションがわりに後ろに挿し入れられ、浅い所をくちゅくちゅと弄ぶ。 ちょ、待てって!今そこ触んのは無しだろ!? そう思うのに、言えない。俺の口は本郷の口で塞がれて、舌はしつこいくらいに上顎をちろちろと舐めまわしている。 チュポ、クポ、と音を立てて、後ろに指が抜き差しされる。 たぶん、1本。 …… 2本、かもしれない…… 早くちゃんと触ってほしいとかじゃないのに、その指がそこを押す瞬間を期待して、自然に腰が動く。 「ん、んう、う、ふぅ、…… ん…… 」 触られるって分かってるから覚悟してるのに、いつまでも浅いところを行きつ戻りつする指が、じれったくてたまらない。 もうちょっと奥…… あ…… そこそこ、そのまま、前に、押して…… 指先がそのスポットをかすめるたびに、来る!と思って身構えるのに、本郷の指がそこを触ることがなくて、もうなんか、腰が、もじもじしてるってわかるのに、止められない。 手筒はずっと、優しい圧で俺のをしごいてる。溢れたゼリーを塗りたくるように鈴口を指先でグリグリされて、1番いいところを触ってもらえない後ろが、余計にせつなくわなないた。 こいつはもう、見なくたってわかってる。どのくらい指を入れたとこに、それがあるのかなんて。 わざと、焦らされてる…… 俺は奥に引っ込めていた舌で、上顎を撫でる本郷の舌の裏を、つうっとなぞった。 2度、3度。 舌が絡み合うのが苦手で、奥に逃げてた舌で、ねだる。 早く、早く、ちゃんと、触ってーー もぉ、これで、分かんなかったらこいつ、殺す…… っ 死ぬほど恥ずかしいと思いながら薄目を開けると、ほんの数センチ先にある本郷の切れ長の目が、嬉しそうに、細められていて。 俺の中に入っている指先が、腹側にある前立腺をグッと、押した。 「んぅああぁぁっっ!」 快感を得た身体が痙あ攣して、のけぞるように、唇が離れた。 「あ、あ、やぁ、…… イ…… っ !!」 嘘っ!?1回押されただけで…… っ !? そう思うのに、身体の奥から押し寄せる感じが止められない。本郷の手筒の中で、俺のは限界まで張り詰めて、白濁を放った。 いつもなら、それで終わるのに。 「あ…… っ!や、な、何…… っ!?これ、止まんねぇ…… っ !!」 先っちょから飛び出す白濁が、いつまでも、止まらなくて。 しかもそれが出てる間、頭が沸騰するみたいな、強烈な気持ち良さが、ずっと続いてて。 俺、アタマ、おかしくなんのかも、しんない…… っ メーター振り切って、死んじゃうかも、しんない……っ そんな最高に気持ちいい恐怖に、翻弄されていた。

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