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結果的に、セーフワードは本郷の下の名前に決まった。いろいろ難しい言葉を考えても、とっさの時に出て来なきゃ意味がないし、かと言って普通に口に出してしまいそうなものでもダメだ。 俺は友達を下の名前で呼んだりしないし、俺にとって本郷は本郷で、「大悟《ダイゴ》」じゃない。 俺があいつを下の名前で呼んだら、強制的に機能停止。 ホントにそんな「魔法の呪文」みたいに使えるのか半信半疑だったけど、Domだと言う本郷自身が言うのだからそうなのだろう、と思った。 思えば、本郷の口からダイナミクスについて聞いたのも、この時が始めてだった。 *** 「ちょぉ、おい、本気かよ!?」 我ながら情けない声が出た。 本郷が、ベッドの縁に座る俺に向き合うように、床に下りたからだ。 「マジで、するよ?でもやばいと思ったら、さっきのセーフワード、使っていいから。」 フェラだけなら、前を開けるだけでもできるはずなのに、俺は下半身に靴下しか履いていなかった。 「いいから下全部脱げって」 そう言われ、上半身は制服のシャツとセーター、下は丸出しという間抜けな格好だ。 本郷は俺の膝を両手で割ると、前に垂れるシャツの裾をそっと持ち上げた。 かき合いのときは、そんなに間近でそこを見られたわけじゃない。 俺はそれを凝視する本郷の視線が痛くて、顔をそむけた。 「ちょっと勃ってきてんだけど。なに、おまえ見られると興奮すんの?」 面白がるような口調で本郷がしゃべると、その息がふっふっ、とちんこにかかる。 どんな近くでしゃべってんだよ、と思って見たら、それを待っていたように幹をベロリと舐められた。 「わあぁっ!」 そんなとこに舌が触れるなんて初めてのことで、その濡れた生温かさに身体が震えた。 「もっと色気のある声だせよな。」 先っちょに唇をつけて、本郷が笑う。 「バカか!そういうのは女子に言えぇ!」 「残念でしたー。女子にちんこはありません。」 本郷は俺と目を合わせたまま、口を開けて俺のをその中に咥え込んだ。 「ふぁ…… っ!」 熱く柔らかな舌が、俺のを舐め回す。瞬殺で完勃ちになったのが自分でわかる。吸い上げるように圧をかけながら根元から舐め上げられ、そのまま一気に持っていかれそうになって、俺は焦った。 ヤバイヤバイこれどうしよホントだめこれもう出そう…… 恥ずか死ぬっ!! 腰がガクガクして座っていられなくなった俺は、ドサッと後ろに倒れこんだ。 そしたら、ちんこにかかっていた圧と熱がなくなった。本郷が口を離したからだ。 おかげで、男にフェラされて秒殺という羞恥からは、なんとか逃れられた。 「…… 武士の情けじゃ。」 そう言って見下ろしてくる本郷の唇が、唾液で光っていた。勝ち誇ったように笑うイケメンに、すでにイきそうになっていたことがバレていて悔しかったけど、寸止めにしてくれたことには素直に感謝した。 「…… かたじけない…… 」 上がった息の合間にそう言うと、本郷が、ふは、と吹き出した。

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