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(ねぶ)る合間に、なだめるような声音で、そんな風に言われて。 「我慢、できるよな?」 「…… 」 俺は、本郷がそこを触りやすいように、腰を少しずつ下にずらして、ベッドの縁から、尻を半分、はみ出させた。 恥ずかしくて、ちょっと怖くて、床についている脚がプルプル震えた。 本郷は、根元を掴んでいた手筒をゆっくり上下させると、 「いい子。」 そう言って、喉の奥までそれを咥え込んだ。 「ん…… くぅ…… う、ん、…… ふぅっ」 孔をいじられることに、違和感しかなくて気持ち悪いのに、前を包む本郷の口の中は、あったかくて気持ちよくて…… 身体のすごい近いところでそれが同時に起きるから、俺はもうどうしていいか分からなかった。 でも、前だけされてたら絶対秒殺されて笑われること必至だから、後ろの気持ち悪さがそれをセーブしてくれてるんだと思って、我慢した。 5分、我慢して。 5分経ったら指は抜いてもらって。 5分後なら、イッても恥ずかしくは、ないよな…… ? そのつもりで、耐えるつもりだった。 本郷の指が、ぐにぐにと中に進んでくる。 ものすごく気持ち悪い。 意識してなくても、それを押し出したくて身体に力が入る。 だってそこは、出すところであって入るとこじゃねえし! 座薬なんか使ったこともないから、そんなとこに何かが入るのは、多分生まれて初めてのことで。 その時までは、俺はホントに、「我慢してる」だけだったんだ。 でも。 「ふァ!?」 舐められてるちんこの、すごい根元を触られた感じに、俺はビクッとした。 根元っていうか、裏側?誰も、自分でも、触ったことないような、へんな感じのとこ。 俺は本郷が付け根を舐めたのかと思って、思わず目を開けて下を見た。 本郷の舌は、鈴口をチロチロ舐めていた。 左手は、手筒にして幹を包んでいる。 つまり根元には、何も触っていなくて。 「ぅあんっ!」 再び裏側を触られた感じに、腰が跳ねた。 訳が分からず俺が口をパクパクしていると、本郷はチェシャ猫みたいにニタァ、と笑った。 「ここかぁ…… 」

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