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ただ、海老沢がそれについてきてくれるか、試してみたくなったんだ。
ウィダニーだって、一緒にやった。海老沢は後ろでイけるようにもなったし、根元を縛ったときも、そんなに嫌そうにはしてなかった。
それに、最近の海老沢はやっぱりなんとなく、前とは距離感が違うんだ。
もう、こんなことやめたい。
おまえとこんなん、やっぱ変だろ。
だいたい俺、女の子が好きだし。
いつかそんな風に言われるんじゃないかって、怖くて。
エロ目的だと思われてんなら、それでもいいから、いっそ海老沢にも、気持ちいいからオレと離れられないって、思ってほしくて。
ものすごい快感、それで海老沢を繋ぎ止められるなら、何でも試してみたいって、思ったんだ。
「おいで。」
そう呼べば、海老沢は拒まない。
抱き寄せて、唇を重ねる。相変わらず、海老沢の舌は逃げる。奥に引っ込む舌を、寂しいと思ったのは最初だけだ。オレはかまわず、上顎のアーチ型の凹みを舌先でくすぐる。
「んん、ん、ふぅ、ん…… っ」
甘い声が漏れて、海老沢の腰がもぞもぞと動く。
「早く夏服になればいいのにな。脱がしやすくなるし、汚れてもすぐ乾くし。オレさぁ、夏になったら100均で水鉄砲買って、おまえのシャツ濡らして透けた乳首 狙い撃ちして遊ぼうと思って、楽しみにしてんだよね。」
オレがそう言うと、小さな声で「どんな変態だよ」という悪態が聞こえた。
あぁ、いいな。
こういうのが好きなんだ。
オレは嬉しくなって、パンツの上から海老沢の孔を指でぐりぐりと押した。
「ここで気持ちよくなっちゃうおまえは、変態じゃねぇの?」
*****
「目ぇ、逸らすな。」
背中を壁に預けて、海老沢の耳元で言ってやる。
二人羽織みたいな体位。これ、名前あんのかな。
後ろからぴったり抱きついて挿れると、動きにくいし、浅くはなるんだけど。
ビジュアル的にはかなりいけてる。
買ってよかったなって、オレは自分の散財に満足した。
後ろから挿れて、M字に開脚させた海老沢の目の前には大きな鏡。
そこには、ゲイビみたいに繋がったオレらの身体が全部映ってる。挿入 ってるとこも、すげえよく見える。
「いっつも、オレだけ見て楽しんでるの悪いなって思ってたんだよな。海老沢にも見せてやりたくて買ったんだから、ちゃんと前、見ろよ。」
耳に唇をつけてそう言ったら、海老沢の身体がブルッと震えた。
「すげえ、広がってる。パツパツなのにヒクついてんの、ヤべえな。」
左耳には、手のひらで蓋して。右耳からの声と水音で、海老沢の頭の中は、オレしかいない海の底。ゆるく腰を揺らしながら、オレの右手は赤く腫れた乳首を弄った。
「ほら、ちゃんと見ろって!」
「い゛…… っ!」
海老沢は顔を真っ赤にして、恥ずかしい自分の映った鏡を見る。目を逸らすたびに、オレが耳を噛んだり乳首をつねるから、短い悲鳴ばっかりだ。
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