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「ん、んーー…… 」
ゆっくり、久しぶりだから、ゆっくり、腰を進めた。膝を立てた海老沢の脚の間にある孔の中に、オレのが吸い込まれていく。
そのやらしいピンクが拓かれていくのを見ながら、なんか改めて、これってすごいことだよなって、思った。
たとえば手を繋ぐとか、キスとか、身体を絡ませる方法は他にもあるけど。
オレに棒があって、海老沢に孔があって、最初からそうするようにできてたみたいにぴったり隙間なくはまる。こんなこと好きなやつとしかしたくなくて、好きなやつにもそれを受け入れてもらえて、しかもそれがお互いすごい気持ちいいなんて。
ほんと奇跡だなって、思う。
オレの形になった海老沢のふちは、薄くのばされてヒクついていた。もうすぐ動くってわかってるから、待ってるみたいに白い尻がぴくぴくしてる。
もっとしっかり見たくて、膝の裏に手を添えて片脚だけ持ち上げたら、海老沢の先っぽから透明な滴がぴゅるっと飛んだ。
「ひぁ…… っん…… っ」
枕の下に手を入れて、顔を包むようにしてる海老沢が、エロい声をあげた顔を逸らす。恥ずかしがる姿は何度見ても可愛くて、計算とかあざとさなんか全然なくて、いつも新鮮で胸が高鳴る。
あぁこれ、夜も抜けるコースだわ。
頰を染めた顔を枕にうずめる海老沢に、頰が緩む。
枕につく髪の匂い。海老沢が帰った後、寝るときに枕に頭を乗せると、ふわっと立ち上る残り香。それだけで、海老沢のエロい姿が全部思い出せるから、まぶたの裏に映し出されるその痴態で、すごい楽しく一回抜ける。言ったら絶対嫌がるから、言ったことはないけど。
「痛く、ねぇ?」
「今さら、痛えとか、あるかよ…… 」
「でもほら、久しぶり、だからさ?」
「っても、1ヶ月くらい、だろ?んあ…… っ」
よかった。大丈夫そうだ。
そう思って、少し腰を引いて奥を突いた。オレの根本のところが、孔の入り口にきゅんきゅん締められる。指で慣らせない奥の肉が、キツいくらい先っぽに絡みつく。ぴったりはまって圧をかけてくる肉壺はあったかくて、キツいのに柔らかくて、嘘みたいに気持ちいい。そのふわふわした中の肉を堪能したくて、オレはだんだん腰の動きを大きく、抽挿を繰り返した。
「痛くはないけど、圧迫感がすごい」
そう、海老沢が言ったことがある。3、4回抱いたころだっただろうか。初めての時、痛がって泣いた海老沢の顔が頭から離れなかったオレは、もう痛みはないって言われただけですごく嬉しかった。
海老沢が訴えたその圧迫感も、回を重ねるごとに少しずつ、不快な違和感から性感に変わっていく過程が目に見えて。オレ用に拓かれてく身体に、ゾクゾクするような快感を覚えた。
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