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第15話

「ここ、どこなの?」 ミーシェは住み込みで働いているはずだから、家なんて持ってないはず。 「私と、お前の家だ。大きくはないが……充分、生活はできるだろう?」 「どういう、こと?」 ミーシェと私の部屋……? 仕事を辞めるとは考えられないのだけど。 「ここを、お前の逃げ場にすればいい」 「逃げ場……」 「皇宮にいたくないなら、この家にいろ」 皇宮でのメイドや執事の目が嫌だった。 蔑むような目。 実際はそんなことないのかもしれないけど、あの空間が嫌いなのは事実だ。 「ここにいたら、ミーシェは会いに来てくれるの」 「できるだけ帰ってくる」 子守りを抜けてくるのは、楽ではないだろうのに。 ミーシェだって、仕事を抜けるのは嫌だろう。 私が、弱いせいでこんなに迷惑をかけた。 それは分かってるのに… 私のためだけにこんなに苦労してくれるミーシェが好きだ。

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