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第7話
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情事を終えて後処理やら入浴やらを済ませれば、もう真夜中の時間帯だった。
崚は口を尖らせて拗ねていたけど本当の本当に限界だと言うと渋々納得してくれた。
「まだ俺全然疲れてない」とか言って余裕な感じだったのに俺より先に眠りについているし。
今日は俺が入野と昼飯を食べにいったのが嫌だったらしい。
俺も誘おうとしたのに.........とか俺が一緒に行きたかった…………とかの嘆きごとが多かったな。
最初はこんな性格の崚が鬱陶しくて仕方なかったが慣れた今では溜め込むよりマシで、俺が言うのも変だけど可愛いものだと認識している。
出会った頃もそうだったが、付き合い始めた当初は言葉が足りなくてすれ違いばっかりでお互いイライラしてたのを思い出す。
今でこそ崚の考え方とか思ってることとか言動や表情から分かるけど、付き合い始めた頃は理解しようとすらしていなかったかもしれない。
あの頃より俺も崚も大分成長したなぁと隣の寝顔を見ながらしみじみする。
あれほど落ち着かなかった崚の隣が今では自分の場所だと安心できるものになった。
先に眠ってしまった崚の体に自分の体を寄せて崚の体温に触れながら眠りについた。
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「………………」
目が覚めて、時間を確認しようと携帯を探していたら家に忘れたことを思い出した。
崚はまだ気持ち良さそうに眠っている。
起こしてしまうのは可哀想だから、起こさないようそっとベッドから抜け出した。
衣服は下着以外なにも身につけていなくて、春といえどもまだすこし肌寒い気温に体を震えさせる。
予め置いてあった自分の着替えをクローゼットから取り出し、それを着た。
時間は朝の8時前。
昨日崚より遅く寝たのに早く起きてしまった。
まだ少し欠伸が出るけど行動するなら崚が起きる前にしてしまいたい。
俺の家と崚の家はあんまり遠くない。
行き帰り歩いて30分くらいで戻ってこれるかな。
携帯は基本無くても気にならないが、3日も放置にしておくのは少し気になる。
崚が起きたら出かけると言うかもしれないし、崚が寝ている今のうちに取りに行っておこう。
合鍵はもったし、戸締りも完璧。
軽い運動も兼ねて、俺は自分の家に向かって歩き始めた。
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