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「うん」
「なんもされとらん?」
どういう意味だ?
ああ、転校生だから、いじめとかそういう心配?
「うん。いつもすごく親切だよ。いちご飴買ってくれた」
「いちご飴……」
「あ、知らない? いちごを割りばしおに刺して赤い飴がかかってて」
「知っとるわ、いちご飴くらい」
委員長が突っ込んでくれて、僕のテンションは一気に上がる。
「すごい、委員長に突っこまれた!」
数人のクラスメイトが目を丸くして僕を見た。
お笑いレベル底辺の僕にとって委員長から突っ込みを受けるなんて名誉なことだ。
「ちょ、それうかつに言わんほうがええで」
あわてた顔で委員長が言う。
「どうして? 委員長に突っ込まれたなんてそうないから、みんなに言って回りたいのに」
委員長はお笑いカーストのトップに君臨しているのだ。彼に突っ込まれたなんて、大阪人レベルが上がったような気がして嬉しくて仕方ないのに。
「いやだから、その言い方はどないやねん」
「? なんかダメだった?」
「いや、なんにもダメじゃないけど。あれ、俺までおかしな言葉になってんなー」
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