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 ちらちらと視線が飛んでくるのは遥清(はるき)のせいだ。背が高くてイケメンの堀田遥清(ほったはるき)は転校初日からとても親切なクラスメイトだ。  昼休みになるとここに連れてきてくれて、お昼を一緒に食べている。学食もあるけど狭くてとても混むらしい。  しかも今日は委員長が一緒だ。学級委員長の菅原智嗣(すがわらさとし)は遥清と並んで見劣りしない背の高さで、メガネが似合うすっきりした男前。  僕の両脇に二人が座ってお弁当を出した。 「ねえ、さっきのあかんじゃないって言いたいときは、本当はなんて言えばよかった?」 「あぁ、あかんことないで、とか」 「あかんわけとちゃう、とか」 「あかんことあらへん、とか」  両側から二人が次々に言うから困ってしまった。 「そんなに色々変化するの?」 「変化っちゅーほどのことはないやろ」 「あかんの活用は難しいね」  ダメだ、ダメじゃないみたいに簡単にはいかないらしい。 「活用て。有馬はおもろいな」  委員長はさっきからくすくす笑っている。

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