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「どうしてって…」
遥清は困った顔をした。
複数ならええんか? いやでもあいつと一緒にとかありえん、とかぶつぶつ言っている。
あ、もしかしてツレって呼ぶのは一人だけ?
「有馬はどっちかしか選べないんやったら、どっちがええん?」
にっこり笑った智嗣が訊いてきて、僕はちょっと困ってしまった。やっぱり一人しかツレを選べないようだ。
「えー、それは困る…」
「そんなに困ることなんか? 一人じゃあかんの?」
「一人しか選べないとは思わなかったから」
「は? 普通一人やろ」
「そうなの? 東京ではそんなことなかったけど…」
親友の人数制限はなかったと思う。
「マジで? 東京すげーな」
遥清が目をまるくする。東京と大阪の違いってこんなところにもあったのか。
「じゃあ3Pとか4Pが普通なん?」
いきなり遥清の顔が曇って、真面目な顔になったと思うと正面から僕をじっと見た。
「有馬、チンコ見せ合うようなこと、何人も一緒にしとったん?」
チンコ見せ合う?
僕が? 誰と?
「は? 何の話?」
僕が目を丸くしたのと智嗣が爆笑したのは同時だった。
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