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「有馬はそのままでおったらええねんで」
メガネの奥の目が優しく微笑む。
うわ、智嗣の目がキラキラしてる。切れ長の目がかっこいい。女子だったら思わずうなずいてしまいそうだ。
「すごいね、イケメンが言うと迫力が違うねー」
顔を覗きこみながら囁かれて感心した。
「おい、何をどさくさまぎれに口説きモードに入ってんねん」
急に立ち上がった遥清がぱぱっと智嗣の手を外させた。
「有馬、今度俺とも見せ合いっこせん?」
「え、ヤダよ」
「なんでや?」
「だって、恥ずかしいでしょ」
「東京の奴らには見せたんやろ?」
「それはその場のノリっていうか…、まだ子供だったし」
「ほなもう大人になったん?」
「え、え?」
「確かめ合いっこしよか?」
「え、でも…」
「それとも俺とはあかんの?」
そっと髪を撫でて、遥清が微笑みながら訊いた。
優しい表情に思わずあかんじゃないと言いそうになる。
あ、ちがった。あかんの否定形は何だった?
あかんことないだっけ? あかんわけじゃないだった?? あれ?
違う違う、考えるのはそこじゃなくて。
「二人だけやったら平気?」
二人だけ? だったらいいのかな?
でもやっぱり恥ずかしいし……。
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