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Page2:一人でお楽しみ中

「ねぇ、京介さんたちは今日何時くらいに来るの?」 「んーそうね、仕事が終わってからって言ってたから、八時過ぎには来るんじゃない?」 「ふーん、じゃあその時間に一回リビングに顔出すね。ほな、お菓子貰っていくから。」 午後四時半、お菓子を持って部屋へ戻った。 それを食べながら、やり途中のゲームを再開して、いつもと同じ時間を過ごす。 「あー、なるほどね。エンディングでこうなるのかぁ。」 ゲームのエンディングを迎え満足気に、ふと時計を見ると六時を回っていた。約束の時間まで二時間ほどあり、俺は少し考えてから、少しテレビのボリュームを下げて再生ボタンを押す。 『だ、だめよ…っ!もしこんなところ、誰かに見られたらっ!』 『んなこと言って、センセーのココ、ぐしょぐしょに濡れてるじゃん。…ほらっ!』 『ぁあんっ!いきなり触らない、でぇ…っ!』 「ん…っ、んっ…、」 テレビの映像に映る男優に自分を重ね、甘勃ちしている自分のを緩く擦る。 行為が激しくなるにつれて、手も速さを増していき、ぬるぬるとした透明な液体が自分の手を汚していった。 いつもは誰もいない昼過ぎか夜更けにするものだけど、流石に今日は出来るかわかんないから、今のうちにヤッといてしまおう作戦。 『はぁっ、あンッ!も、だめ…っ!!イっちゃうぅ!!』 『くっ…オレも、出そう…!中に出すよ!』 『キてぇ!ナカに…っいっぱい、出してっ!アッあっ!!イくぅ…っ!!』 だけどその作戦が、まさか。 「い、く…っ、」 「あの、お邪魔しま…」 「ぅえっ!?」 「え…?」 こんな形で失敗を迎えるなんて、誰が予想出来ただろう。 「…っ、アッ…く…っ、」 「………。」 昂ぶった感情でノックが聞こえず、迎えていた限界を今更止めることが出来なかった俺は、あろうことか、突然入ってきた見知らぬ青年に見られながら果ててしまった。 「はぁ…っ、はぁ…、え、だ、誰……。」 「…あっ、えっと……、すいませんでした…。では…。」 混乱で余韻に浸る間も無く声をかけると、放心から我に返った彼は、俺の質問に答える事はせず一言謝った後静かに扉を閉める。 『あっ、アツイの…きたァ…っ!』 『…っ、まだまだ、これからだぜ!』 「………。」 一人残された部屋には、お気に入りのエッチなDVDだけが流れていた。もちろん、興奮とかの次元にいない今、それを無言で消したなんて言うまでもないけど。 「…あの男、誰だ…。」 自分の息子をティッシュで拭きながら、ボソリと呟く。受け止め損ねた白濁の液体は、服や床にまで飛び散っていて、憂鬱になった。 「…えぇ〜…?誰なんだよぉ…、口止めしてないよぉ…。」 頭が冷静になってきて、実名でSNSに晒されたら…なんて考えてしまい、泣きそうになりながら服を着替える。 今までこんな痴態を晒したことなんてなかったし、第一俺の部屋に来るなんてドア越しに声をかけてくる母さんくらいしかいなかったから、油断したというか、なんというか…。 「"部屋でシコっててワロタw"とか"入った瞬間フィニッシュされたンゴw"とか、言われてるのかな…。」 てか、そもそも誰なんだ?母さんの知り合い? あんな知り合いいたか?あんな…目がクリッとしてて、ぴょんぴょん跳ねてる明るい色したクセ毛に、若干のリア充感を持った俺と真逆なタイプの…。 「ナオー!京介さん達いらっしゃったわよー!降りて来なさーい!」 「へっ!?もうそんな時間!?」 不意に聞こえた母さんの声に、色々考え込んでいた俺の意識が途切れ、バッと時計に目をやる。針はもうすぐ八時を指していて、約束の時間を回ろうとしていた。 「ナオー!?寝てるのー!?」 「今行くー!」 再び階段下から俺を呼ぶ母さんに返事をして、ドタドタと下に降りていった。

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