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Page4:俺は抱き枕ですか

それから、母さんと京介さんが作ったご飯をみんなで食べて風呂に入った。 「シュ、シュンくん、次お風呂どうぞぉ…。」 「ありがとう。」 シュンくんが風呂場へ向かったのを確認して、俺は部屋に戻り、クローゼットから自分のベッドの新しいシーツと布団カバー、枕カバーを引っ張り出す。 流石に、来て早々自慰行為を見せられ、俺と同室な上にソファーベッドは可哀想すぎると思ったので、せめてベッドだけでも使ってほしいと思ったのだ。 「…よし。これでいいだろ。」 「あの…、」 「へっ!?…あ、シュンくん…、ど、どうした?」 取り替えが終わり、ふぅ…と息をついた途端、不意に背後から声がして勢いよく振り向くと、風呂上がりのシュンくんがいた。 「あっ、びっくりさせてごめんね…、えっと、お風呂上がったよ、ありがとう…。」 「あ、あぁ、うん。全然いいよ、今日から一緒に住むんだし…。」 「そっか…、そうだね…。」 「うん。…あ、寝る場所なんだけど、こっちのベッド使ってね。シーツとか替えたから…。」 「えっ!ソファーベッドでも大丈夫だよ?」 「いや、今日は色々悪かったし…。明日も学校あるでしょ?疲れてると思うから、ゆっくり休んでほしいなって…、まぁ、俺のベッドで疲れが取れる訳じゃないけど…。」 若干出来事を思い出して恥ずかしくなり、ポリポリと人差し指で頬を掻きながら、視線を斜め下に移す。 「そんなことないよ、嬉しい。」 あんなの見た後に、このベッド使えって言う方が酷だったかな…なんて、ネガティブな事ばかり考えていると、なんだか優しい声色に顔を上げた。 「じゃあ、ベッド借りるね?ありがとう。」 「…っ、う、うん…。」 目が合って、にこっと微笑むシュンくんに、ドキッとする。その微笑みは、見惚れてしまうくらい綺麗で優しくて…、初めて会ったはずなのに、すごく懐かしかった。 「えっと、じゃあ、電気消すね…?」 「うん。」 「お、おやすみ…。」 「おやすみなさい。」 気になったけどそんな事聞けるはずもなく、寝支度を終えた俺たちはそれぞれのベッドへ入り、ピッとリモコンで灯りを消す。 「………。」 シンと静まり返る部屋に、カチカチと時計の秒針の音だけが鳴り響く。この部屋に誰かが泊まるなんて久々で緊張していたけど、秒針の音が心地よくて眠気を誘い、徐々に意識がなくなっていった。 「……うぅん…。」 あれから、どれくらい時間が経っただろう。 一度寝てしまえば朝まで起きないタイプの俺の意識が、息苦しさで覚醒し始めた。 「…く、るし……んぇ?」 「…ん……。」 少し目を開けると、俺の体をガッチリ抱くシュンくんであろう人物が、一定のリズムで寝息を立てて寝ていた。 「なんでここに…、ふぁあ…っ、」 「ぅんん……。」 ボーとする頭で考えるも、普段こんな時間に起きることがないからか、少し覚醒した意識がまた遠くなる。俺は考えるのをやめ、息苦しくないように俺の体からシュンくんの手を離し、はだけてた布団をシュンくんにもかけて俺は再び深い眠りについた。

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