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Page10:そこは弱いのです
「…寝れない。」
寝付きは悪くない方だが、やはりシュンくんが隣にいるからか、変に緊張して脳が覚醒してしまっている。
このままでは寝るのは無理だと思った俺は、気を紛らわせようと枕元にあるスマホに手を伸ばした…その時。
「…ひっ!」
突然、スルリと何かが背中を這った。
「な…っ、え…、ひゃっ!」
優しく触れながら、首元付近までゆっくり撫で上げていくのは、腰辺りに回っていたはずのシュンくんの手。
「ちょ、ちょ、ちょっ!なにして…っ、ほんと背中は…っ、アッ…ンンッ!」
ゾワゾワと背中が震えて、その感覚にピクッと肩が反応する。シュンくんの手から逃れようと身体を捩るが、ビクともしないし、触られて逆に力が抜ける始末だ。
寝ている相手に強く抵抗も出来ないし、そもそも今起きられたら気まずい事この上ないので、出来れば寝たままやめさせたい。
「シュ…く…っ、やめ…っひゃんッ!」
背中にあったはずの手が腰に移動した瞬間、少し高めの声が部屋に響いた。
思わず出た恥ずかしい声に、シュンくんの胸に顔を埋め、手を口に当てる。
「は…っ、はっ…、ンン…ッ!」
触れるのをやめない手に翻弄され続け、涙目でビクビクとシュンくんの腕の中で震える俺。
その姿はまるで……。
「お、ねが…も、やだ…って...っ、」
「…ナオくん。」
「え…っ?」
「…かわいい。女の子みたいだね。」
小声で小さな抵抗をしていた俺が、名前を呼ぶ声に顔を上げると、フッと怪しく微笑むシュンくんがいてフリーズする。
だって、シュンくんは寝ているんだとばかり思っていたから。
「…え、なん、シュンく…っひにゃッ!」
「背中より腰のが反応するんだねー。」
「や、や…っ!ちょっ!」
俺の反応を伺いながら今も尚触るのをやめないシュンくんに、理解が追いつかない。シュンくんの手をグッと掴むも、力で負けてしまい意味がなかった。
「…ん?ここ触ると下半身も反応するの?」
不可抗力の生理現象。思わず腰が揺れて、シュンくんの足に少し硬さを保ったソレをグッと当ててしまい、気が付かれた。
「ち、が…っ、」
「ね、初めて会った時みたいさ…、自分で擦ってるところ、見せてよ。」
「……へっ?」
ただでさえ現状把握出来ていない俺が、彼の言葉を理解できるはずがない。
「ほら、早く見せて。」
「ぅわっ!ちょ、脱がしちゃ…っ!」
「だって脱がなきゃ見れないじゃん?」
「待って!待っ…ぁンッ!」
そんな俺を他所に、片手を器用に使ってパンツごとズボンをズリ下げたかと思うと、露わになった半勃ち状態の俺のを軽く握って、緩く上下に扱き始めた。
「ね、僕も手伝うからさ、手貸して?」
「しゅんく…ッ、やだ、はなして…!んぁ…ッやだって…っ、ふあッ!?」
腰を引きながら抵抗を見せると、もう片方の手で背中を触られ、思わず腰を突き出す。距離が縮んで触りやすくなったのか、俺のを扱くシュンくんの手が速さを増し、水音を立たせた。
「ナオくん、気持ちいいね?少し扱いただけなのに、もう完勃ちして先走りも溢れてるよ。背中と腰でも、感じちゃってたもんね?」
「そん、なんじゃ…っ!ちが…ちがう……。」
「なに、恥ずかしいの?」
「だっ、て…ぅっ、そんなんじゃ…、」
図星を突かれ、あまりの恥ずかしさに視界がボヤける。すぐに感じてしまう体が、男の手で気持ちよくなる自分が…、すごく情けない。
「ナオくん、泣いてるの?」
「おねが…、も、やめてぇ…っ、」
涙がポロポロと頬を伝い、枕を濡らした。
「…かわいい、もっと泣いて。もっと、泣かせてあげる。」
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