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Page17:うるさい

しばらくして着いた自分の家を見て、なんだかホッとした。門を開ける前に俺はソウを見つめる。 「…俺は謝んねぇから。」 俺の言いたいことを察したソウが、真剣な瞳を俺に向けながら言う。 「…なんで。」 「後悔なんてしてねぇし。」 「…なんで。」 「悪いとも思ってねぇ。」 「…なんで。」 「なんでも。」 「…なんで。」 同じ言葉を繰り返しソウを睨んで問い詰めても尚、俺のほしい言葉はくれなくて、自分の中で渦巻く行き場のない感情が溢れ出した。 「…っ、謝れよ!俺に!ごめんなさいって…っ、もうしないから許してって、言えよ!」 「やだ。」 「なん…っ、」 「ナオくん。」 怒りが悲しみに変わり、ヒートアップしそうになった時、それを止めるかのように背後から名前を呼ばれる。 「…シュンくん…。」 「…チッ。」 振り向くと、シュンくんが玄関の扉を支えながら立っていて、それを見たソウが舌打ちをして眉間にシワを寄せた。 「おかえり。」 「た、だいま…。」 「あんま大声出しちゃいけないよ。…こっちおいで、中入ろう。」 「うん…っ!」 俺を包み込むようなシュンくんの優しい声に泣きそうになりながら、"おいで"と扉を開けて待つシュンくんの元へ駆け寄ろうと門を開ける。 「…っう、わ!」 だが、一歩踏み出した瞬間、俺の体は真逆の方向へと引っ張られていき。 「…あきらめねぇ。」 「えっ…あッ!?」 俺の首筋に顔を埋めたソウは、そのままチュウ…と吸い付いて、チクリと小さな痛みを俺に与えた。 「ナオ、またな。」 「わわっ!」 それから、すぐに俺を離したと思ったらくしゃくしゃと頭を撫でて帰って行き、何が起こったのか分からなかった俺は、小さくなっていく背中をポカンと眺める。 「…?なんだアイツ…。」 何事もなかったかのように帰っていくソウに、若干のモヤモヤは隠せないが、すんなり帰ってくれてよかったと思った。 「…ナオくん。」 「…っ!へ、へい…!」 だがそれをかき消すかのように、先ほどと声色が違うシュンくんの声でハッとし振り向くと、見えるはずのない黒いオーラを纏うシュンくんがいて青ざめる。 「いい加減、こっち来ないと…、」 「い、い今!今行きますよ!!行こうと思ってたから!」 怒られる前に、アワアワと門を閉めてシュンくんの元へ駆け寄った。 「………。」 「シュ、シュンくん…っ?」 「…ムカつく。」 「え…っ、わっ、なにっ!」 「………。」 シュンくんは無言のまま俺を家の中まで引っ張り、そのまま俺たちの部屋に連れて行かれるのかと思いきや。 「脱いで。早く。」 「えっ、え…!?シュンく…っ!?」 ついた場所は脱衣所で、早々に服を捲り上げられ、焦った俺はそれを振り払うかのように距離を取る。その行動が気に食わなかったのか、シュンくんの眉がピクリと動いて、一層機嫌を悪くした。 「脱がないなら、そのままでいいよ。」 「うわぁっ!ちょ、ちょっ!…ぷひゃっ!」 ため息混じりにそう言いながら、俺の返事を聞かず服を着たまま風呂場に押し込まれ、更にシャワーをかけられる。 お湯が顔面に直撃して、咄嗟に息を止めるが、まともに酸素を吸えていない状況で長く持つはずがなく。 「う、うわ〜!濡れる〜!止めて〜!」 「うるさい。」 「だっ…んむ…ッ!!」 顔を背けながら暴れる俺の唇を、シュンくんの唇が容赦なく塞いだ。

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