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Page18:そんな意味

「…ッふ、ぁ…っンンッ!」 シャワーの音と、自分の口から洩れる声が風呂場に響く。ザーッと降り注がれるお湯が着てる服を濡らしくが、そんな事など気に止めないシュンくんの服を必死に掴む。 「…っ、待っ…んぅッ!」 喋ることも許されず、抑え込まれて身動きもまともに取れない俺は、ただただシュンくんのキスを受け止めることしかできず、諦めて終わるのを待つ。 「ふぅッ…んんぅ…っ、」 シュンくんの舌が俺の舌に絡んでは吸い付き、その気持ち良さに耐えられなくなってズルズルしゃがみ込むと、やっと唇を離してくれた。 「…っは、はぁッ、はぁ…、」 「………。」 「しゅ、ん…く…、」 「…そんな顔、アイツにも見せたの?」 「え…?」 息を上がらせ、涙でぼやけた視界にシュンくんを映すと、俺を見下ろすシュンくんは、怒っているような、傷付いているような…そんな顔をしていて、そんな顔も出来るのかと少しドキッとする。…だがそれも、一瞬の事で。 「…アイツと何したの?」 「………。」 見下ろす視線から見下す目付きに切り替わったシュンくんに、思わずフイッと目を泳がせた。 「…ふぅん、僕に言えないことしたんだ?」 「しゅ、」 「そんな"痕"まで付けられて。」 「え?…うわっ!?」 図星を突かれ、弁解しようと名前を口にした瞬間、ダンッと音と共に視界からシュンくんが消えて頬にひやりと冷たい壁が当たる。 「今日は絶対寝かせないから。」 「えっ、なにっ、ひゃ!」 シュンくんは、後ろを向されてガラ空きになっている俺の首筋に顔を埋め、ソウと同じようにペロッと舐めた。 そして軽くチュウ…と吸い付いたかと思えば。 「…っいだだだだ!!」 「………。」 「痛い痛いっ!なに…っ!?いってぇ!!」 思いっきり、噛みついた。 ジタバタと暴れるも動じないシュンくんに打つ手なく、離されるまで痛みと戦う。 「…いたい?」 「いっ、いたい…っ!」 痛すぎてジワリと涙が溢れた頃、やっと口を離され、噛まれたところに手を当てながらシュンくんをキッと睨んだ。 「泣いてんの?」 「だって…っ、しゅんく、噛んだっ!」 「…消えないもん。」 「…っ、」 不意にか細い声色になって、なんだか悲しそうな表情をするシュンくんに目を見開く。 痛くて理不尽な目にあってるのは俺なのに、なんでシュンくんがそんな顔をするんだと思うところはあるが、いざそんな顔をされると責めるに責め切れないし、なんなら罪悪感も湧く始末。 「痛くして、泣かせて、ごめんね…。」 「シュンくん…。」 反省の色を見せ、自分の心も落ち着きを取り戻し、許そうかな…なんて思った途端。 「だから…、今度は、いっぱい気持ちよくしてあげるね?」 「…はい?」 先ほどの表情とは打って変わり、反省はどこいった?と聞きたくなるくらいの優しい笑みを俺に向ける。 「えっ、いや!ちょっと待って!!」 「なに。」 「なにって…!ダメだよっ!しかも、こんなところで…っ!」 「なんで。」 「だっ、だって、母さんたちが…っ!」 こんな男二人で風呂場にいるとか怪しまれるに決まってる。そんなことを今更思い、あわあわと慌てた。 「………。」 だがそんな俺を、キョトンとした顔で見ているシュンくん。 「…シュンくん…?」 「…ふふっ、」 「え…?」 不思議に思っていると、急にシュンくんが笑い出すものだから、この流れのどこに笑う要素があったのか分からず、今度は俺がキョトンとする。 「そっか…、うん…。」 「…?」 「ナオくんは、麻衣子さんたちがいなかったら別にいいんだね?」 「な…っ!」 笑い終えたシュンくんが、ニヤリと怪しげな表情をこちらに向け、言葉の意味を理解した俺はパクパクと口を開けた。 そんな意味で言ったんじゃないのに、そんな意味に捉えられてしまい、弁解する間も無く事が淡々と進んでいく。 「安心して、今日は二人とも出掛けてるから。」 「だから、ちがっ!」 「ってことで、脱ごうか。」 「えっ!?何言っ…うひゃ!?」 抵抗する隙すら与えられず、服に手をかけられ、完全にシュンくんのペースに乗せられた。

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