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Page24:おもひでの味
「…おれ、上手く出来るかわかんないけど…、頑張るから…。」
「ちょっと、ナオくん…。」
「いいから…!」
シュンくんのパンツを下にズラすと、あまり乗り気じゃない態度とは裏腹に、やる気を主張するシュンくん自身がそそり勃つ。
けど、想像以上にご立派なそれに、思わずゴクッと生唾を飲んだ。
「ナオくん、そんなに見つめられると流石に恥ずかしいんだけど…。」
「へっ!?あっ、ご、ごめん!」
「…顔に似合わず、とか思ったでしょ。」
「えっ、いや、そんなこと……少し、しか思ってないよ…。」
図星を突かれ、ごにょごにょと口をごもらせる。
よく漫画にある、男の象徴が「ビキビキ」という効果音で表現されるけど、まさにそんな感じで、顔と下半身のギャップに驚きが隠せない。
「ははっ、素直だなぁ。…でも、本当に無理しなくていいよ。」
「だ、いじょぶ…。」
「そう?」
スッと頬に触れられ、くすぐったいような気持ちいいような…。頬から伝わるシュンくんの体温が俺に移ってくるのがわかる。
「ん……、下手でも、許してね…?」
人肌の心地良さにいつまでも浸るのをやめ、視線を落とす。期待で溢れた先走りが、先端から裏筋へ垂れていくのを見ながら、俺は恐る恐る舌を出した。
「…んっ…。」
ペロ…と、ひとなめ。
人生で初めて、生暖かくて脈を打つそれに、舌を這わせた。
「は…、むぐ…っ!」
「ぁッ…ナオくん…、」
そのままシュンくんが俺にしてくれたように、少しだけ先端を咥え込んで、口の中の粘膜とシュンくんの先走りを絡ませながら、徐々に口の奥へと飲み込んでいく。
「ん、ンッ…ぅ、ぐ…っ…、」
AVで見たものを思い出し、見様見真似でゆっくり上下に顔を動かした。
「ん…っ、ね、ナオくん、そんな深く咥えなくていいよ?苦しいでしょ…?」
「…っん、はぁっ…!やっぱ…き、気持ちよくない…?」
「んーん、きもちいよ。ナオくんの歪んだ顔とかそそるしね。」
「な…っ、み、みないでよ、そんなに…。」
「ふふっ、わかったわかった。」
俺の頭を撫でながらクスクス笑うシュンくんに、胸がキューンと締め付けられる。
耳に響くほど鼓動が高鳴って、「もっとしたい」「もっとしてあげたい」なんて言葉が頭の中を支配していく。
「は…、ぁむ…っんっんッ!」
「…ぅ…はぁ、」
ぽやついた頭のまま、本能のままに再び咥える。頭を上下に動かし、反応するところを重点的に攻めた。
歯に当たらないよう、ぎこちないながらも舌を使い、じゅぽ…っじゅぽ…っと水音をたたせながら唇を窄めて扱く。
「…ンッんっ、ふ、ぅ…っ、」
「は、ぁ…、ナオ、く…っんン、」
「……んぅ……っ、」
苦しいし、決して美味しいものじゃないけど…、俺のフェラチオに感じて、眉間にシワを寄せながら目を閉じるシュンくんを見ると…なんかすごく、たまらない…。
「…っ、やば、ナオくん…口、離して…。」
「はふ…っ、むぐ…んっ、ンッ!」
「ちょっ、ほんとに…っでるから…!」
「んっ、らひて…ッ、んっく…っ、」
限界が近付いてきたシュンくんが俺を引き離そうとするが、力が入らず押し切られる状態となり、ここぞとばかりに容赦なく攻め立てる。
唾液と先走りが入り混じった液体が、ダラダラと顎を伝いバスタオルに染みを作った。
「ダメだって…!ほんとにっ…ィ、くッ!!」
「…っんぅう…ッ!!」
粘り勝ちした俺の口の中で、ビクビクと震えながら生暖かい液体がびゅくびゅく放たれる。
俺の頭を抱えるようにして蹲るものだから、思った以上に喉奥へと精液が流れ込んできた。
「はっ、ハァ…ッ、ナ、ナオくん、大丈夫?」
「………。」
「ナオく…、」
「…っぅおぇえーッ!!」
喉奥で不快に絡み付く、なんとも独特な臭いと味がする液体は、昔興味本位で舐めた苦い過去を思い出させて、盛大に口からぶち撒けてしまった。…本人の目の前で。
「っぺ!ペッ!!おぇ、マッズい…っ!!」
イガイガする喉の感覚に顔を歪ませ、時間差でより一層広がっていく風味に涙目になって…。
「…ナオくん。」
「ッハ!…あ、シュンくん…?いや、違うよ?あの、これは……!」
「ナオくん。」
「……はい、すいません。」
だから、気が付いた時にはもう遅く、目が笑っていないシュンくんがそこにいて…、俺の背筋に冷や汗が流れた。
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