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Page33:楽にしてあげるだけ
「きらい…っ、シュンくんなんて、大嫌…ッンン!」
最後まで言い切る前に、唇を塞がれた。
開いた口にぬるっと舌が入り込み、無理やり俺の舌と絡ませては吸い上げる。
「…ぅ、んン……っ、」
くちゅくちゅと水音を響かせ、どちらとも言えない唾液が口端を伝ってこぼれ落ちていく。理性だってどろどろに溶かされ、俺は無意識にシュンくんの首に腕を回す。
「っふぁ…ゃ…んぅ…!」
何度も角度を変えて、息する事も忘れて、もはや酸欠状態で…。涙を溢れさせながら、何も考えられなくてただひたすらに、シュンくんの柔らかい唇に、熱い舌に溺れてしまった。
「…っぷはぁ!…はぁっはぁ…、」
「…は…、」
シュンくんの首に回していた腕に力が入らず、ポスンとベッドの上に落ちた時、糸を引いて唇が離された。
俺の口の中からいなくなるシュンくんの舌に、切なさが残る。
「い、いやら…、したくなぃ……。」
俺は嫌いって言って、気分だって最悪で…、なのに、あんなキスされたら……。
「ナオく、」
「したくない、のに…っ、」
「…ナオくん?」
「ぅっ、も、むりぃ…っ、あつい…ッ!」
残された本能に、勝てるわけがない。
「…え?」
「…っ、び、やく…って、ソウが…っ、」
「………。」
「だ、から…さわっちゃ、やなのに…っ、しゅんく…、あついよぉ…っ!」
涙目で、懇願するかのようにシュンくんに縋った。熱を帯びた俺の瞳に、シュンくんはゴクリと唾を飲む。
「…っ、ナオくん、それ反則でしょ…。」
「っ?」
「んな顔、されたら……っ!」
「ら、に……、んむぅっ!」
シュンくんがギッと歯を食いしばったように見えた一瞬、気が付けば再び視界は暗くて、快楽が口の中に広がった。
「は、ぁ…っう、ンンッ!」
部屋に小さく響く俺の喘ぎ声。
そしていつ脱がされたのか、床には俺のズボンとパンツが落ちていて、俺はもうされるがままの状態になっていた。
「…ッん、ナオくん、もっと口開けて…。」
「ン、ぃや…ッ待っ…ぅあッ!?」
「いい子。」
「ふぁ…ッ、んぅ…ッ!」
不意に、先走りで滑りが良くなっている先っぽを親指の腹でぐりっと抉られ、堪らず声を上げた瞬間、シュンくんの舌が口の中に入ってくる。
そのままぐちゅぐちゅとテンポよく扱かれ、絶妙な力加減に腰がヘコヘコ浮いた。
「ふ…ぅ、んっ!ンん…ッ!」
「…っは、」
「っふはぁ!ぁ、あっ!やらッ、とめ…っ手、とめれぇ…ッ!」
ぴゅっぴゅっと透明な液体が腹を汚し、目の奥がチカチカと光り始めて、限界が近付い事を知らせてくる。
「大丈夫、僕が楽にしてあげるだけ。」
「しゅ、く…ッ、や、はなし…っあぅぅ…っ、」
「我慢しても仕方ないでしょ、ほらイきなよ。」
「あっ、ァッ、や、んんっ…も、らめ…ッ!」
「イッて。」
「ひ…っ、ンぁあ…ッ!」
呂律が回らず、焦点も合っているのか曖昧になった俺を、追い詰めるように手が加速され、俺は我慢できずに全身を震わせながらシュンくんの手を汚していく。
「…いっぱい、でたね。」
「ぁ、はっ、はぁ…はぁ…、」
「でも飲んだのが媚薬なら、これだけじゃ足りないよね。」
「はぁ…、ん……。」
「ね、今度は僕も一緒に……って、え、ナオくん?」
「……スヤァ。」
「…うそでしょ。」
出すものを出し終えた俺は、盛り上がって戦闘態勢になったシュンくんの下半身事情なんて知らず、そのまま夢の中へ旅立った。
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