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Page40:同情してクレメンス

威圧的な声にしょぼくれた俺は、自分の指と指を絡ませながら下を向く。 「なんでここに来たか、知りたいって?」 「…はい。」 「それはな…。」 「っわ!?…っいて!」 突然グイッと腕を引っ張られだと思ったら、そのまま押し倒された。その時、腰辺りに丁度玄関の段差が当たり強打する。 「シュンを取り返すためだよ。」 「は…っ?」 地味に痛くて涙目になりつつも、聞き流せない言葉に彼…ルイくんを見る。 「俺の数年間の片思いを、お前は……。絶対許さねぇ。」 「え……。」 ギロッと睨まれ、その眼圧にゴクリと唾を飲む。だけどその顔は、泣きそうにも見えて…少し戸惑った。 「どうせ、よろしくヤッてんだろ。」 「…は?」 「惚けんな。毎晩ヒィヒィ言わされてんだろ!」 「俺らは猿か何かですか?」 一回もヤッてねぇし。…昨日のとかその前のとか…、あんなの、シュンくんにとってはお遊びなだけだ。 「殺されてぇか?」 「え、理不尽。てかちょっと待って…。」 「なんだよ。」 「ルイくん、シュンくんが好きなの?」 話流れで普通に片思いって言ってるけど、それってやっぱ恋愛対象として、シュンくんが好きって事だよな…? 「……っ、」 自分の言葉に自覚がなかったのか、途端ルイくんの顔がブワッと真っ赤に染まった。 「あら、可愛い。」 「こっ、殺すゾ…っ!」 耳まで真っ赤にさせ、声を裏返しながら暴言を吐かれても、もうビクビクするような恐怖は感じなくて。例えるなら、キャンキャン吠える小型犬のようだ。 「本当に許さないからな!覚悟しろよ!」 「わかった。わかったから、一旦離れて。」 俺は、未だに茹でタコ状態で馬乗りになってるルイくんを退かそうと、上半身を軽く起こす。 「…お前、調子に乗んなよ。」 「え…っ、」 だが、その態度が気に食わなかったのか、ルイくんにガッと肩を掴まれた。ギリ…と力を込められて、その痛みに顔をしかめる。俺より少し小さいのに、力は断然彼のが上だった。 「お前、昨日もシュンと、キ、キスとか…しまくったんだろ。」 「はぁ…?」 「奪ってやる。」 「なに言っ…ッン、…んっ!?」 言葉を遮られ、唇を奪われる。その勢いで再び押し倒された上半身と共に、後頭部がゴンッと床に当たる。痛くてすぐにでも頭を抑えたいが、それをするにはまず、彼を退かさなくてはならない。 「ンンッ…!」 突然の事で、ほぼ無抵抗のまま受け入れてしまった俺が、今更退かそうとルイくんを押してもびくともしなかった。 くちゅくちゅと口の中で暴れる舌は、乱暴だけど、必死な感じがして、何故か俺は胸が痛む。 「ッン、ふ…っ、んんぅ…っ、ぁ…!」 彼の被害妄想と昨日の出来事…一致はしている。 何度も"きらい"と口にしようとした俺を止めるかのように、シュンくんに唇を塞がれた。 でもシュンくんは、俺以外ともキスしたんだ。 これは紛れもない事実で、その相手がメイさんなら…と考えた時、ルイくんが置かれている立場がとても……。 「……てめぇ、抵抗やめたと思ったら…、んだその顔は…?」 「は…っ?」 不意に唇を離し、俺を見下ろすルイくんは、なんか凄く怒っていて。 「…っ、あっそう、同情してくれんだ?なら、最後まで付き合えよ…!」 「は…っ?えっ、ちょっ、なに…っ!」 ギリっと一瞬歯を食いしばった後、すぐ口角を上げて片方の手を俺の服の中に滑り込ませた。 反応が遅れ、服の中への侵入を許してしまった俺は、ダメ元で服越しにルイくんの手首を掴む抵抗を見せる。 「…開発済みだろ?乳首。」 「ひぁっ!!」 だがそれも虚しく、ギュッと強めに乳首を抓られた俺は、突然の刺激でビクッと腰が浮くほど反応してしまった。

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