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Page84:容赦しないよ
「ひゅ…ンンッ…!」
シュンくん、と言おうとした俺の言葉は、シュン君の唇によって飲み込まれた。
「ん…、んぅ…っ、」
久しぶりの、シュンくんからの優しいキス。
たったそれだけで、俺の瞳はトロンとして、下半身はじわじわと熱が帯びる。
「ふ、ぁ…っ、」
くちゅりと水音を響かせながら、シュンくんの舌が口の中に入ってきて、どんどん深いキスになっていく。
口元にあったはずの手も、いつの間にか俺の髪の毛をくしゃりと掴んでいた。
「ンンッ…、っは…、しゅ、く…もっと…。」
きもちよくて、たまらなくて…、どうにかなりそうだ、俺…。
「もっと、して…。」
キスだけじゃ我慢できなくて、熱が集中して硬くなったそれを、シュンくんに擦り付けながら誘う。
「ふふっ、ナオくん積極的だね。」
そんな俺の頭をよしよし撫でながら、シュンくんは優しく微笑んだ。
「んぅ…、だめなの…?」
お預けを食らった気分になった俺は、もっとしたいのに…と頬を膨らませてシュンくんを見上げる。
「んー、僕もしたいんだけどね。」
「じゃあ、し…」
「シュンくん?ナオ起きたー?」
「しようよ」と言いかけた時、なんの前触れもなくガチャッと部屋の扉が開いて、入ってきたのは母さんだった。
その瞬間、俺の心臓は痛いくらいに跳ね上がって、ドッキンドッキンと大きな鼓動を鳴らす。
「あら?ナオは、まだ寝てるの?」
俺は反射的に目を瞑ってしまい、寝息を立てて寝てるフリをした。
「ふ…っ、あ、はい…、起こそうとしたら逆に引っ張られちゃって、抱き枕代わりですよ。」
ぎゅっと抱きしめるシュンくんは少し震えていて、必死で笑いを堪えてるのがわかる。
シュンくんも、起こしに来たならそう言ってくれればいいのに、人が悪い。
一人盛り上がってた事に、俺は急に恥ずかしくなった。
「ごめんなさいね、ナオってば寝起きも悪くて…。」
くっそー、こうなったら仕返しだ!
「いえ、全然平気…ッで、すよ…。」
俺はバレないようにシュンくんの股間へと手を伸ばすと、ズボン越しから人差し指と中指で軽く挟み、親指の腹で指で先端を撫でた。
部屋着でゆるいズボンだったため、形もわかりやすくて触りやすい。
それに対して、ぴくりと反応を見せるシュンくんに「焦ってる焦ってる」と心の中で笑いながら、今度はパンツの中に手を滑り込ませた。
「…っ、」
「ん?どうかした?」
「あっ、いえ、なんでもないです…。」
布団で隠れていても流石にヤバイと思ったのか、シュンくんの腰が少し引き気味になる。
だが狭いベッドで、しかも母さんの手前、大胆に俺の手を避けることなんて出来るはずがない。
…つまり、シュンくんの抵抗は無意味に近いのだ。
「む、しろ、起こしてきてって言われたのに、すいませ…ん、」
直に触れ、半勃ちになってるモノを、くちゅくちゅ…とゆっくりと扱いていく。もちろん、音でバレないように細心の注意を払って。
「いいのよ。ナオの寝起きの悪さはよく知ってるし、シュンくんにも迷惑かけちゃったわね。」
「あはは、迷惑なんて…、思いません、よ…。」
「ふふっ、シュンくんは優しいのね。」
ほんの少し息を上げながらも、必死で平然を装い笑って母さんと会話する。
そうしてる内にも、パンツの中のシュンくんは、むくむくと大きさと硬さが増していく。
俺はニヤけるのを我慢しながら、シュンくんが必死で耐えるこの状況を楽しんでいた。そして、追い打ちをかけようとした時。
「あら、電話。」
プルルルと家の電話が鳴って、母さんは「どうしても起きなかったら頬っぺたでもつねってやって」と言い残して部屋を出て行ってしまった。
「っぅいでででで!」
「おはようナオくーん。」
「いひゃいっ、いひゃいっ!!」
「なーにしてんのかなぁ?んー?」
「うううっ!ひょえんあひゃいっ(ごめんなさい)!」
容赦なく頬をつねられた俺は、情けなくも半泣きになった。
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