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Page93:シュンくんの初めて

「ん…っは、はあっ、はぁ…っ、」 全部出し終えると、ちゅっとリップ音をならしながらシュンくんの唇が離れていく。 「はぁ…、あー、もう…!なんで、そういうこと、すんの!」 「ナオくんが可愛かったら、つい。」 えへへと笑うシュンくんに、思わず言葉を飲み込む。 この薄暗さに目が慣れると、当たり前だが暗闇の時よりも遥かにシュンくんの表情がわかってしまう。 「…でも俺、しゅんくんと一緒がいい…。」 そんな嬉しそうな顔しないでよ…、全部許しちゃうじゃん。 「俺ばっか、きもちいのはやだ…。」 チラッとシュンくんを見ると、優しく微笑んでくれた。 「うん、一緒にきもちよくなろ。」 ちゅっと軽くキスをしたシュンくんは、体を起こして俺の脚と脚の間に入る。 そしていつの間に用意したのか、手には透明な液体が入った円柱型の小さなプラスチック容器。 「もう、寸止めはなしだからね?」 「わかってるよ。俺で、きもちよくなって…。」 そう言うと、シュンくんは容器の蓋を取って中の液体を手に馴染ませる。 「力抜いててね。」 「ん…っ!」 つぷ…とシュンくんの指が二本、俺の中に入ってきた。慣れない異物感に少し体が強張るも、ヌルヌルとした液体のおかげで、すんなり指を受け入れる。 「あ…っ、は、んんっ!」 休む間も無く、ぐち…と音をたてながら指を動かし、慣らしていく。 「…っひ、ぁ、あっ!」 シュンくんにされるのはこれが二回目だからか、すぐに俺のいいところを見つけ、ごりごりと抉ってきた。 さっき出したばかりの自分のモノも、それに反応して再び上を向く。 「あと一本、いれるね。」 「はっ、ん、あぁ…っ!」 ぐちゅりと三本目の指が中に入った。  シュンくんは、俺の表情を伺いながらゆっくり三本の指を奥に進める。 「ナオくん、息吐いて。」 「ひ、あっ、は、ぁあん…ッ!」 言われた通り息を吐こうとするが、徐々に動きが激しくなっていく指に、自分とは思えないほどの甘ったるい喘ぎが宙を舞っていた。 気持ちいい、シュンくんの指…。 「しゅ、しゅんく…っ、ならすの、も、もうい、からぁ…っ、」 もう、我慢できない。 「いれて…っ!」 まるで懇願するかのような瞳をシュンくんに向けると、動きが止まり、ぐちゅりと音を響かせながら、ゆっくり俺の中から指が抜かれた。 「…っ?なにして…?」 「ん?ゴムつけてる。生だと後処理大変だし、中に出しちゃうとお腹壊すからさ。」 慣れた手つきでゴムをつけていくシュンくん。 でも、その光景を見てふと思った。 もしかしてシュンくん、初めてじゃない…? よくよく考えればシュンくんはいつも慣れてて、妙に上手くて、手際よくて…。 「よし、でき…」 「誰と、シたの…?」 気が付けば、そんな言葉を発していた。 「え…?」 「誰と、えっちしたの…?」 「え、ナオくん…?」 「俺以外の、誰と…っ!」 次から次へと涙が溢れては、頬を伝っていく。 わかってる、今更言っても仕方ないことだって。 でも、俺の知らないシュンくんを知っている人がいるって思っただけで心が裂けそうになった。 シュンくんは、俺以外の誰を、どんな風に、何を思って抱いたの…。

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