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Page95:二人の初めて
「…あのさ、もう隠さなくていいなら、言ってもいい?」
「ん?なに?」
「もう、いれたい。」
今まで優しさに包まれてたシュンくんとは一変し、それはまるで欲にまみれたケモノのようで。
「好きな子目の前にして耐えるのも、正直凄い辛かったって言うか、もう一秒たりとも我慢したくないし、できない。」
でもどこか、我慢ができない子供のようにも見える。
「しゅ、しゅんくん…?」
あれ、もしかして墓穴掘った…?
「初めてだから優しくって思ってたんだけど、そんなこと言われちゃったら抑えきれない…。」
少しずつ息が荒くなっている気がしなくもないシュンくん。そんなシュンくんが纏う空気は、明らかに欲情だ。
「ねぇ、もういれていい?」
「しゅんく…っわ!?」
シュンくんは俺の腰を浮かせ、下に板チョコのクッションを置いた。腰が少し高くなると、グイッと脚を開き距離を詰める。
「しゅ、ん…っひッ!?」
ぐちゅ…ッとアナルに当てがわれたのは、シュンくんの勃起したそれで…。
「…息、はいててね?」
「へ…っ、ちょ、待っ……っひぅ…!」
ズプ、とゆっくりシュンくんが俺の中に入ってくるも、余りの質量に息が止まりかける。
「ナオくん、息吸って。」
シュンくんの声を頼りに、すぅと少し息を吸う。
「そう、上手だね。次はゆっくり、はいて。」
「は…っ、は、ぁ…ッ、い、ぁあっ!」
俺が息を吐くのと同時に、更に奥へと腰を進める。それは以前使われたオモチャよりも、大きくて、太くて、熱い。
「…っ、」
ああ、俺…今シュンくんとセックスしてるんだ…。
「キツ……、…ナオくん…?泣いてるの…?」
ぽろっと溢れた雫に、シュンくんが気付く。
「ん……、うれし、くて…。ね、ぜんぶ、きて…っ、」
「…っ、ナオくん…っ!」
「んぁあ…っ!」
俺の言葉に腰を進め、全部シュンくんが俺の中に入った。
初めて一つになれたという喜びが、キュンと胸を締め付けていく。
「無茶してごめんね…。でも僕も、めちゃくちゃ嬉しいや…。」
そう言って微笑むシュンくんも、少しだけ目が潤んでいて、たまらない気持ちになった。
コツンとお互いの額をくっつけて、その瞬間の幸せを感じ合う。
「ナオくん、だいすきだ。」
優しく、触れるだけのキスを俺に落とし、恋人繋ぎでキュッと手を握ってくれた。
「…しゅん、くん…?」
「ん?」
「おれ、もう平気だから…、動いてい、よ…?」
シュンくんのが俺の中でビクビク反応してるのがわかる。
「我慢できない」なんて言っても、シュンくんは俺の負担を考えて気遣ってくれて。
「…ゆっくり、動くから…。」
やっぱり、シュンくんは優しい。
「…っは、ぁんっ!」
軽く腰を引いて、少し強めに打ち付ける。
その瞬間、全身の力が抜ける程の快感が俺を襲った。
「は、あぅ…っ、あっ、ひ、ン…っ!」
指やオモチャなんて比べものにならない。
「ぁ…っ、ん、」
「…っ、ナオく、ごめ…、いたくないっ?」
「は、あっ、ん、ん、きもちい、よ…ッ!」
こんなの、おれ…しらない…。
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