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Page97:目の奥の星空
「ぅ、あっ、あっ、あんッ!」
ぱちゅんぱちゅんと、腰を振るたび聞こえてくる音がやらしくて、聴覚までも犯されてる気分になった。出たり入ったりを繰り返すそれに、俺も限界が近くなる。
内腿がぷるぷる震えても尚、シュンくんの腰の速さは変わらない。
「しゅ、くん、も、いきそ…っ、まえ、さわってぇ…っ!」
「んー…?だーめっ、お尻でイッて?」
「んぇっ、あっ、や、むりだよぉっ!」
まさかのダメ出しに、思わず涙目になる。
初めてのセックスなのにお尻でイクなんて恥ずかしい。
「無理じゃないよ、お尻でこんなに気持ちよくなってるんだから…。」
「や、あぅ…っ、」
「ほら、僕が手伝ってあげるから、我慢しないでイッていいよ。」
「ぁ…っ!」
シュンくんが押し込むように腰を進め、逃げないように俺の腰を掴むと、容赦なく小刻みに動き出した。
「ひ…っ!?ひン…ッ、ぁっ、や、やめ、それ、やぁッ!」
さっきよりも深く入って、今まで届かなかった場所まで届き、一気に射精感が込み上げる。
泣き叫ぶ声に近い喘ぎをもらす口から、唾液を垂らして必死にシュンくんを見上げ、やめてと目で訴える。
「…なに、どうしたの?」
俺を見下ろすシュンくんの顔が笑ってる。
それはもう怪しく、楽しそうに。
「それ、や…っ、こ、し、とめてぇ…ッ!」
「なんで?気持ちいいでしょ?」
「ンァッ、ぁ、ひぅ、あっ!」
ごりゅっと最奥を抉られ、ビクンッと体が跳ねた。
その反応を見て、シュンくんはここぞとばかりそこを抉る。
「ねぇ、ここがイイの?さっきよりもナカが締まったよ。」
「い、ぁっ、や、ぅ…、」
「こんなに気持ちいいのに、とめちゃっていいの?」
「ぁっあっ、ひ、ぁん!」
「…ね、イクときは、ちゃんと教えてね?」
もう喋ることすらままならなくなった俺の耳元で、シュンくんがそう囁いた直後。
「…ぁっ!?」
シュンくんの声が脳に響き、全身ビリリッと電気が流れる感覚に襲われて思わず腰を浮かす。
何をされても気持ち良くて、とろけた頭で「五感が性感帯に変わってしまうんじゃないか」と考えて怖くなった。
「ひ、あっ…ぁ…っ!」
「どんなに嫌がってもね、気持ちいいとお尻でイッちゃうんだよ。…だからナオくん、我慢しないでいいからね。」
にっこり笑って、ズンッと重たいひと突き。
「……ッ!?…っ!」
その瞬間、俺の目の奥で光がチカチカと飛んで、ビクンビクンと体を痙攣させた。
「う…くっ、すごいナカがうねって…、…あ、はは、少しイケたね?」
「へ、ぁ……?」
シュンくんの言葉を聞いて下半身に目を移すと、俺のモノはピクピク震えながら、とろ…と先端から少し精液を出していた。
その光景があまりに恥ずかしくて、俺は自分の顔を手で覆う。
「ぁ、や、しゅ、くん…っ、みな、ぃでぇ…っ!」
「え?なんで?」
「ぅ、はずか、し…っ、から、ゃだぁっ、」
自分の顔が、耳が、すごく熱い。
下手したら全身真っ赤になってるところだ。
初めてのセックスで、触らずにイくなんて…。
「…恥ずかしがることなんてないよ。」
「ぁっ、」
顔を覆っていた手を退かされ、暗い視界から、ぼんやりとシュンくんの顔が映し出された。
「どんなナオくんも、だいすきなナオくんだ。」
優しく微笑んで、ちゅうと吸い付くようなキスをする。
「んっぅ…!ふ、は……。」
そのキスは、少ししたらすぐに離れて。
「いろんなナオくん、僕に見せて。」
そんな言葉のすぐ後に、さっきの快楽が俺を襲った。
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