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Page104:サカッちゃいました

中学卒業後、俺は家から近い高校へと入学した。 そこは大学と一貫の元男子校で、数年前共学になったが、男女の割合は圧倒的に男子のが多かった。 だからか、地元の奴らは別の高校へ受験する人が多く、知っている奴はほぼいない。ソウもまた、その内の一人なんだけどね。 まぁ、女子がいないってわけじゃないから頑張ろうと思えば彼女はできる。男子が多いなら友達がたくさんできる。 そんな希望を持ってた俺は、結局二年間彼女ができなかったどころか、たくさんの友達ができたわけでもなかったけれど。 少なくても親しくなれた奴らはいたから、それなりに楽しく、平和で、平凡な毎日を送っていたんだ。 後一年もそんな毎日を過ごし、大学へ行って、少しでもいい所に就職して、母さんを支えれるようなって…、そして最後は、ごく普通の家庭を築いて幸せになるんだ。 …なんて、俺にしては結構真面目なことを考えていたわけさ。

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