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取って付けたようなセリフを吐き捨てたナツの手が、俺の服の中へと滑り込んできた。
「んん…ッ、や、やめ…っ、ぁ…っ!」
腰回りや背中をスリスリと優しく撫でられ力が抜ける。
決して感じてるわけじゃない。
ゾワゾワした感覚に声が出ちゃうだけ…。
「ぅ、んん、…ひ、ン……。」
なら、声が出ないようにするしかない。
「…唇噛んでも意味ないと思うけど。ほら、力が抜けてきたら次はココ。」
「え…っぅあッ!!」
突然手が上がってきたと思ったら、直に乳首をきゅっと摘む。
その瞬間、ピリッと弱い電流を流された感じがして、思わず口を開き声を上げてしまった。
「へえ?ナオちゃんは乳首も感じるんだ?」
"ナオちゃん"なんてふざけた呼び方に刃向かう余裕もない。
「ぁっ、や…っんぅ…あぁ…ッ、」
クリクリとこねくり回されたり、きゅっきゅっと強弱つけながら抓られたり…、今まで弄ったことのない場所を弄られ、知らない快楽が少しずつ押し寄せる。
徐々に息が荒くなり、体は完全にハルに委ねている感じになった。
「もー、ナツばっかズルい。」
そんな背後にいたハルが、不満そうに言う。
「だったら早く離せよ!」と、訴えるかのように首を少し回してギッとハルを睨み付けた。
離してくれたら俺は颯爽と逃げてやるのに…!
「…俺も好きにやっちゃうよ。」
「っひゃン…ッ!」
「うわ、耳も感じるんだ?」
ぺろっと耳を舐められただけなのに、ダイレクトに反応してしまった俺は顔を真っ赤にさせる。
…この時初めて自分の体が怖いと思った。
今まで触られたことのない場所を触られて、知らなかった感覚を呼び覚まされるような…、また、自分の知らない"感じるところ"を見つけられてしまうような…。
自分が、"理解出来ていない自分"に追いつけなくて、ただただ怖かった。
「あ、…ははっ、ナオちゃん、勃ってるぜ?」
楽しげなナツの声に目を見開き、恐る恐る視線を移すと、俺の股間は窮屈そうに制服のズボンを押し上げていた。
「あっれー?ナオちゃんは、乳首弄られて耳舐められただけで勃っちゃったの〜?」
「…っち、ちが…!」
「違わないよね〜?ナオちゃんへんたーい!」
背後で、おもしろおかしく俺に言ってくるハルにじわ…と涙が溜まる。
「…ナオちゃん?別に恥ずかしがることないんだぜ?素直でいいと思うよ、俺は。」
そんな俺を見てフッと笑うナツは、どこか怪しげな雰囲気を漂わせ恐怖心が増す。
「ナ、ツ…、も、やめて……。」
「このままだと、ナオちゃんがツラいだろ?」
「…っ!や、やだ…!そこはやだっ!」
ナツがズボンのベルトに手をかけ外していく。
俺は今まで以上に抵抗し、暴れた。
「こらナオ!暴れないの。」
「っぁ、ん…!」
ハルに服の上から少し強めに乳首を摘まれて、ビクッと身体が反応し力が一瞬抜けた。
「あっ、や…っ!!」
その隙を見逃さなかったナツが、一気に俺のズボンを下げる。
「うっわ、パンツに少しシミついてるよ。」
「ナオ感じすぎ〜!」
俺の股間を見て笑う二人に耐えられず、ついに溜まってた涙をボロボロと流した。
「っこ、んなの、ただの…っ生理現象…!」
「あら?ナオ泣いてる?泣いちゃった?」
「ぅっ、も、やめてよぉ…!」
「ちゃんとわかってるから、そんな泣くなよナオちゃーん。…今、楽にしてやっから、な?」
ナツが泣く俺の頭を数回撫でる。その言葉と行動に、みるみる血の気が引いていく。
「っなに、する気…っ、」
「なにって、抜いてやるんだよ。」
ニッと笑ったナツの手が俺に伸びてきた。
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