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観察って言っても、廊下で見かけた時や体育で外にいる所を見かけた時に、「どんな人かなー」って見るくらいで、わざわざ教室に行ったりとかはしない。 まず何組か知らないし、そこまで興味もなかった。 「シュン〜、次移動教室だってー。」 「あー、次はパス。」 「またサボりー?俺もサボろうかなー。」 「お前はやめとけ、絶対赤点取る。」 テストさえ良い点取ってればなんとかなるけど、テスト勉強出来ない緒方は授業までサボったら留年しかねない。 僕の言葉に「たしかに」と素直に頷いて、緒方は大人しく授業が行われる教室へ行った。 「さてと…、今日は天気良いし、上行くか。」 気分じゃない時は授業をサボる。 サボり場所は様々だけど、保健室には絶対行かない。 何故なら保健医が大嫌いだからだ。 『貴方が仮病って、わかってるのよ。』 『…だったらなに。』 『ふふっ、ねえ、先生とイイコト…しない?』 「美人で巨乳で優しい」と男子からは評判が良いが、あれはただのビッチでしょ。 「…チッ、胸糞悪い。」 これだから女は嫌いだ。 あいつと一緒で、自分のことしか考えれない。 思い出したらムカついてきて、眉間にシワを寄せながら階段を登り、向かうは屋上。 屋上への扉は南京錠で施錠されているが、前に安ピンで中を弄ったら開いた。 それから回を重ねる度に金具が馬鹿になったのか、今ではすんなり開けれるようにもなった。 「はー、晴れた日はここに限る。」 早速寝そべって見つめた青い空には、綿菓子のような白い雲が流れていた。 「…ナオくん、かー…。」 正直、あまり実感わかない。だって他人と家族になるなんて未知の世界で想像できないし。 僕は父子家庭で、あの子は母子家庭。それが交わって、一般的な家庭となる。…それを知った時、あの子はどう思うのだろうか。 「僕と違って、特になんとも思わないかな。」 見かける度に楽しそうに笑っていて、悩みなんてなさそうで……いや、そう見えるだけで、彼も彼なりに悩んでたりするかな…。 優しい子ほど、色々考えてしまうから。 「…ん…っ、」 それから、どれくらい時間が経っただろう。 そよそよと心地いい風に、いつの間にか眠っていた僕は、顔や首元に触る髪と唇に当たる生暖かい感触が不快で目を覚ました。 「……ンッ!?」 脳が一気に覚醒し、すぐ現状を把握した僕は覆い被さるそいつの肩を思い切り押し、距離を取る。 その衝撃に、相手は「きゃっ!」と声をあげ尻餅をついた。 「…人の寝込み襲わないでくれる?」 「あ…っ、ご、ごめんなさいっ、寝顔見たらつい……。」 彼女は同じクラスの子だから知っている。けど決して派手な方ではなく、いつも本を読んでいるような大人しいタイプで。 「出てってくんない?邪魔。」 だから正直、驚いた。彼女の大胆さに。 「あ、えっと…、その…。」 「…なに、言いたいことあるならハッキリ言えば。」 僕が知ってる限りでは、授業をサボるような子じゃなかったんだけどな。 「す、すきなのっ、ずっとずっと、シュンくんが…!」 …女って、ほんと…。 「…へぇ。じゃあ、する?」 「え…?」 「セックス。」

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