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Page132:エンダァァァイヤァァァ

「…っう、」 視界が涙で歪んでいく。 こんなにも想われて、嬉しくないはずがない。 「あと…、」 「んっ?」 嬉しさと感動に浸っていたら、シュンくんが何かを言いかけた。 まだ続きがあるみたいで、何やら紙袋をガサガサと漁っている。 「はい。」 「へ…っ?」 俺の目の前に出したのは、薔薇のブーケだった。 「予約…の、続き?みたいな…。」 「え…?」 「こんなこと言うの、本当にカッコ悪いんだけど……、僕、余裕ないんだ…。」 シュンくんはカァと顔を赤くしながら、少しだけ俯く。 俺は、そんなシュンくんを見ながら、ブーケを持って固まっていた。 「ナオくんのこと、誰かにとられるんじゃないかって…そう思っただけで、怖くてさ…。本当に、ここまで人を好きになったことなんて、なかったから…。」 「……っ、」 今まで聞いたことがなかったシュンくんの心の内側に、言葉が出てこない。 優しい笑顔の裏では、不安と隣り合わせだったんだ。 「僕たちの恋は、決して平らな道ではないと思う…けど、これから先、ナオくん以上に好きになれる人なんて絶対にいないから…。僕はこの恋に、僕の一生を捧げるよ。」 「…っふ、ぅぇ…っ、」 「だからもし、ナオくんが僕と一緒にこの道を選んでくれるなら…、」 「選ぶよっ!選ぶに決まってる…っ!!」 俺の隣はシュンくん以外あり得ないし、シュンくんの隣も俺じゃなきゃやだ。 シュンくんがこの恋に一生を捧げるなら、俺もこの恋に一生を捧げたい。 「ふふっ、ありがとう。…ね、そのブーケを包んでるレース、取ってみて?」 「……?」 シュンくんに言われた通り、ブーケを包んでいた白いレース取ってみると、思ったよりも大きくて、ふわふわと風になびく。 よく見てみると、チュール生地の周りにレースが施されていて、それはまるで…。 「貸して?」 シュンくんに言われて渡すと、俺の頭にそれをかけた。 「こ、れって…、」 「ふふっ、花嫁さんみたいだ。」 ブーケを手に、ベールをつけてる俺の姿を見て、シュンくんは嬉しそうに微笑む。 「小さな結婚式みたい…。」 「そうだね。…綺麗だよ、ナオくん。」 側から見たら真似事のようかもしれないけど、今の俺たちからしたら、この小さな結婚式はとても大きな意味を持つ、人生の中で最も重要な出来事の一つ。 「今はまだ無理だけど、いつか必ず本物の指輪を持って、ナオくんを迎えに行く。」 「うんっ、うん…っ!」 「…さぁ、もう泣かないで。」 嬉しくて、ずっと泣いていた俺の涙を優しく拭き取った後、その手は頬を撫でる。 そこから伝わる心地いい温度に俺もスリ…とすり寄せた。 このまま、時が止まってしまえばいいのに…。 「ナオくん、愛してるよ。」 「…っおれも、愛してる…っ!」 夕日をバックに、お互いの首元でリングを光らせながら、俺たちの影が重なった。

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