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第36話 異変
夕食、入浴を済ませ布団に潜りこんだ晴は、時間を確認して今日は睦月は来ないんだなぁ~と寂しさを感じていた。クリスマス、年末、年始と一緒に過ごしたときには感じなかった、ベッドの広さが悲しかった。
(僕ってこんなに弱かったかなぁ~。睦月と一緒にいたいよ)
その時携帯に着信が入った。
晴は睦月からの着信だと疑いもせず通話をオンにした。
「睦月?」
『悪いな愛しの睦月さんじゃなくて』
「りゅ、隆二!ご、ごめん」
『構わないさ、それより遅くにごめん。』
「大丈夫だよ、どうしたの?こんな時間に珍しいね」
『あぁ、迷ったけど晴には言っておいた方か良い気がしたから電話した。瀬川さんが今日来たぞ。あまり良い酒の飲み方をしてなかった。何かあったんだと思うぞ』
「そんな……、何か話して無かった?」
『いや、1人で静かに飲ませて欲しいって言って、カウンターの隅でジンをロックで煽るように飲んでた』
「ありがとう知らせてくれて、確かにいつもの睦月じゃない。連絡してみるよ」
『あぁ、そうしてくれ、俺も気になるから』
「うん、じゃあ、ありがとう」
睦月は体質からほとんどお酒に酔うことはないって言っていた。そんな睦月が酔わないお酒を煽るように飲むなんて、そんなことをする理由が見つからない。きっと何かがあったんだ。
仕事のことはほとんど分からないけど、睦月の事は分からないでは終わらせたく無かった。
晴はベッドから起き出すと睦月の携帯を呼び出した。
何度もコール音は鳴るのに繋がらない。いったん切るともう一度鳴らした。それでも睦月が携帯に出ることはなかった。
このままでは埒があかないと晴は急いで寝間着から着替えて睦月の部屋に行くことにした。
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