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 元カノのお陰で旧交が温まったって感じだよ。  いくら親友って言っても社会人になってからは年に数回しか会ってなかったからね。  喜ばしい事じゃん。そんな嫌そうな顔するなよ。ケーキ買ってきたから。 「どういうつもりだよ。毎週毎週、週末になると来るとか。なんなんだよお前」 「平日も来て欲しい?」 「……やめて」  一応これでも変な事してるなーとは思ってるんだよね。  だから最初の日以外は大人しく寝てるじゃん。  オレはさ、温かい抱きまくらが欲しいだけなんだよ。  それにお前とバカ話してるだけでも学生に戻ったみたいで、楽しいからさ。 「良いでしょ。春真って彼女居ないよね今」 「居たら秋彦に、こんなに時間裂いてない」 「居なきゃ裂いてくれるんだ。ずっと作んないでね」 「自分勝手、自己中、わがまま」  そんな事言いながらも、ちゃんと美味しい晩飯とか用意してくれるとこが良いよね。  オレ昔からお前が嫌がってる顔が好きなんだよ。  正確には嫌がってるのに拒みきれない感じ?  優しいよね。だからオレと友達やれるんだろうけど。 「ごちそうさま。美味しかったよ。お礼にケーキ食べさせてあげる」 「いらねえよ。オレを女の代わりにしてんなよ」 「恋人はいらなけど、甘い時間は欲しいじゃん。はい、あーん」 「だからその相手がオレで、楽しいの」  食べないのかと思った。食べてくれるんだね。  ……何で笑ってんの?それオレに食べさせるの? 「はい、あーん。どう?嬉しくないだろ」 「普通に嬉しいけど?」 「──そういう奴だよ。秋彦は」  なんかいつもよりスイートな時間過ごしちゃったね。  そのせいかな。腕の中の春真が愛おしいっていうか。もっとじゃれ合いたかったっていうか。  ん?マズくね?その欲求は、危険じゃない?  春真はスヤスヤ寝てるし──いいか。ちょっと力入れて抱きしめるくらい。  いい匂い……する……。うなじ、細い。  ──舐めたい。  ああ、今オレ舐めたいってはっきり思ったね。道を踏み外し掛けてるね。  え?今向き変えるの?  寝息立ててる唇が薄く開いて──なんかさぁ。  なんでそんな無防備な寝顔見せるの。キスされたの忘れちゃったの。  ……ああもう。 「ん──んんっ、あ、秋彦、お前またっ──」 「春真……、ん……ん……っ」  ああホント、暴れるの止めて。押さえ付けるの楽しくなっちゃうから。  顔そむけないでよ。無理矢理こっち向かせるけどさ。  また──舌が重なると絡みつけてくるんだ。  それどういう感情なの。  オレめっちゃ、いやらしい気持ちにしかならないけど。  じゃあもっと、強く吸っても良い?  身動き取れなくして腰押し付けても良い?  ゴメン──もうしてたよね。  ……ちんこ同士がこすれ合ってんの、服の上からでも感触分かるし。  もっとキモいかと思ったのに──肉々しい質感まで同じなのがゴリゴリして、余計にやらしくない?  すごい擦り付けたい。止まんない。  こないだより興奮しちゃって抑えが効かない。 「ばかっ──ふざけんなよお前──!」  いや、ここで止めたのむしろ褒めてよ。  オレ息切らしてんじゃん──お前に欲情しちゃったんだよ。  理性で踏み止まってるんだよ。  オレは勃っちゃったけど……お前もだね。どうすんのこれ。 「ねえ……お互いのヌキ合う?」 「ぬ……しねえよっ、ほんとバカ!」 「じゃあどうすんの。交代でトイレ行くの?虚しいでしょ」 「放っときゃ治まるって」  そんなにオレの触るのイヤ?  それもそっか。  他人の勃起したちんこを気持ち良くしてやれって言われたら、金貰ってもなあ……。  あれ、オレ春真のは触る気だったじゃん。むしろ見たいし触りたいよね……。  まあいいや──春真もオレで勃ったんだから説得力ないしさ。  いいよ、妥協案だしてあげるよ。 「じゃあ一緒にオナニーしよ。それならいいよね」 「はあっ?嫌に決まって──」 「駄目、もう決めた。したくないなら自然に治まるの待ってなよ。オレは春真をオカズに抜くから」  もうホント理性ギリギリのところで踏ん張ってるんだって。早く扱きたいんだよ。  ほら、(いき)り立ってる。腹にくっつきそうじゃん。我慢汁ヤバイ。 「おま……秋彦……」  オレに露出趣味ないんだけどな。  恥ずかしそうなくせに興味有り気な、そんな顔で見られたら興奮するね。  いつもこんなにギンギンに勃起しないのに。  春真も前突っ張っちゃって苦しそう。我慢しないで抜けばいいのに。  いま生唾飲んだよね? 「あーすげ、気持ちい。春真も、しなよ」  嫌なら目を逸らすなり、なんなりするよね。  顔赤くなってるくせにガン見じゃん、オレがシコってるとこ。  そんな風に見られたら、オレも全然止められない。ほらもっと近くで見たら。  股がモジモジしちゃってるよ。早くパンツ脱ぎなよ。 「しな。──ちんこ擦りたいでしょ」 「っふ──っ──」  泣きそうになってるよね。触ってないのに感じてるの?  それなのに意地張っちゃって──仕方ないな。 「ほら、見てよ。オレのちんこ近年稀に見る硬さだよ。先っちょさあ、優しく撫でると堪んないよな。一緒だろ。弄りたいよな?」  震えながら頷いちゃうんだね。おまえ強引に迫られるの弱いと思ったんだよ。 「まだ無駄な我慢するんだ?──オレが見たいの。してるとこ見せろ」  やっと──素直になった。  あーあ。泣きながら手が止まんないねー。  先走りがグチュグチュいって溢れてるよ。  そんなに気持ちいい?やらしい春真。 「いつもどうやってる?同じようにしてよ」  すごい胸そらすね……で、シャツの裾、くわえるの──? 「ふ……っ、う、っ……っ」  お前、ちんこ扱きながら乳首弄るんだ。  めっちゃ感じてるじゃん。乳首ふくらんでる。もう片方しゃぶってやりたいよ。  すっごい、やらしい。なんだよこれ。  人のオナニー見るのってこんなに興奮すんのかよ。  ……AVはそうでもないけどな。ナマで見るからか?  違うな──春真が特別やらしいんだよな。  さっきまで嫌々言ってたくせに、こんなに乱れるなんて思わないじゃん。  こんなやらしいならアナニーしてても不思議じゃないよね。 「それだけ?他には触んないの?──お尻とか」  その首の振り方は……過剰に反応しすぎでしょ。絶対弄ってる。  見たいけどさ、オレが限界。やらしすぎんだよお前。  そんなに頬を上気させて誘うような目でオレのこと見て、ヤられたいの?  犯さないであげるからさ、ちょっと顔、貸してよね。  そんな風にオレを煽るから、こすり付けたくなっちゃったんだよ。  あー、嫌そう。頬にちんこ押し付けられたら嫌だよね。  だけどお前、マス掻く手は止まってないね。 「春真、気持ちいいの?」 「顔に押し付けられて、いいわけ……ないだろ……っ」  可愛くないお口にブチ込んでやろうかな。  でもさあ可愛くないのは言葉だけなんだよね。  こんなことされてるのに、態度はむしろ従順?  ホントに嫌なら抵抗しろよ。何されても知らねーぞ。  もう頬にくっつけた鈴口が開きそう。ヒクヒクしてる。  すっげえ気持ちいいからこのまま出して良いよな。  オレの精液で汚させてよ、春真の顔。 「……く……っ、も……出る」 「ウソ……っ、ん、秋彦っ……は──あ、っ」  すごい……良かった。  オナニーで酸欠になるってどういうことだよ。  え、春真もイッてるよね?顔射されて? 「おまええっろ……」 「秋彦は……変態じゃん……」  まあねえ。  春真に欲情すること確定しちゃったしなあ。  冷静になって、オレもどうしようって思ってるとこなんだよね──。

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