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12−5
「はる──っん、んぁ、は」
「………ぅ?あ、秋彦、おまえ……っ」
「──やっと目が覚めた」
「なんっ……挿入 っ?………っんぁ」
「うん。起きないから挿れちゃった。気が付いたらクライマックスってどう?」
「ふ、あー。っはぁ……あき、ひこぉ……」
すっげえ声震えてる。
あーちょっとこれマズイ?
泣くかな、怒るかな。
どっちにしてもさ、いいとこだからフォローは終わってからでもい?
「秋彦ぉ、むき……」
「え」
「向き……前から。顔見たい……」
「は?おまえ──」
寝ぼけてんの?
そんなの言われたことないよね。
「んっ、ふっ……すごいきもちい……あきの、きもち、い……」
「春真……?」
睡眠姦でエロスイッチ入っちゃったの?
マジで?オレより変態?
「好き……お前のセックス……容赦ないし、エロい……。オレはどうせ淫乱だから、そういうのがいい。もっとしてよ秋彦……めちゃくちゃに、して欲しいんだよ」
……待って春真、深呼吸させてくれる?
お前まだ酔ってるよね。あと寝ぼけてる。
それに便乗、してるよね……。
これはずるい。
「バカ春真。そんなダイレクトに煽って後悔すんなよ。もうオレ止まんないよ」
言われなくてもこんなの抱き潰すよね。
「それ……いつも、だろ」
涙溜めた流し目で、薄く笑う春真なんて見たことない。逃したくないみたいに腰に脚絡めてくるし。すごい深く繋がってんのに自分でも腰振ってるし。どんだけ煽るつもりだよ。
「どうしちゃったのお前。寝てる間にちんこ突っ込まれるの興奮した?」
「それはお前だろ」
「あーうん。オレはしたよ。めっちゃ、やらしかった。今度は縛らせて」
「あ、ははっマニアック。無抵抗を嬲 りたいのか。別にいいけど。秋彦の好きにしなよ」
どう考えてもいつもの春真じゃない。
酒のせいで理性が解放されてるんなら、こっちが春真の本性ってことだよね。
本領発揮の春真もいいね。どころかさあ、すげえオレの好みだよ。
「お前やっぱり優しいのなんて望んでなかったんだ」
「どっちでもいいよ。言ったじゃん、秋彦のセックスが好きなの」
「なんだよ……マズイって……壊したくなるくらいかわいいよ今日の春真。今なら言えんじゃない。素直になったら?」
身体を倒して春真の目を覗き込む。角度が深くなって一層ぐちゅぐちゅと水音が際立つ。
苦しそうに喘ぎながらオレを見てる。いつもなら逸らしたり恥ずかしがったりしてるのに、殆ど睨み返してるよね。
「言うことなんてない」
「──オレがまた、恋人作ってもいいの」
「今までもそうだった」
ふはっ、強情。
こんなに身体全部で縋り付いてオレに感じちゃってるくせに。
「そうだけど──今まではこんな事してなかったでしょ」
「っんん……なら、破局するまで淫乱らしく男でも漁ってようか?おあつらえむきに網代さんもいるし」
は?ここでその名前出してくる?
「あんま挑発しないで」
「……んぅっ!っ……は……お前が、言い出した……んだよ」
ちょっとそれはダメ。
ヤりながらする話じゃない。
興奮の材料にはなるけど際どくなりすぎ。
絶対、後引くよこんなの。
「もう黙って。大人しくヤられてなよ」
「だからお前が──っ、あっ、バカっ、
強すぎ……っは、ぁ」
淫乱ってさあ、オレが言う分にはイチャイチャの延長じゃん。逆手に取って言い出したら──意味変わっちゃうでしょ。
しかもこんなタイミングで使うとか。
煽り方、間違ってんだよ。
「あっ、んうっ──あきっ、
なに怒ってんだよ──」
「別に怒ってないけど。
悪いと思うんなら謝れば」
「ごめん。謝るから──っめんって──ああっ」
それとりあえずだろ。
なにが悪いか分かってるわけじゃないよね。
そういえばさ……ちんこの根本って強く掴むとイけないよね。
「あきひこっ……なに……苦し──っ」
「オレ結構前からピークだから一回イくね。
お前はもうちょっと我慢してな。
メスイキすんのは勝手だけど」
いいよね。どうせお前めちゃくちゃにして欲しがってたし。
「っは、い……よ。好きに、しろよ」
は、よくそんなふうに言えるね。
ぐっちゃぐちゃに腰振られて、イきたくてもイかせて貰えないんだよ。それで泣いてるお前の顔に興奮してんだよオレ。
──そんなにオレが好き?
バカなんじゃないの……優しくなんかしてやれないのに。特に今日は網代なんかに言い寄られてるお前のこと、ムカついてるからね。
「好きにするよ。そうだ、春真が上乗って。オレを気持ちよくしてイかせてよ。あとちょっとだから」
それなら寸止めしたまま、ちんこ弄ってやれるし。
向かい合って座ったオレの上に春真がゆっくり腰を下ろしてく──。滑 った感触に飲み込まれて、ぐちゅぐちゅになったお前の中が締め付けて欲しがってくる。
肩を掴んだ手が爪を立てて、苦しそうに唇噛み締めてて──視覚も感覚もすごいクる。
でもさ──もっと。
「お前じゃないんだから挿れただけじゃイけないよ。ちゃんと動いて」
「は、まだ──ちょっと待って」
「だめ。早く」
動きたくなるように、ちんこ触ってあげるから。付け根押さえて激しく扱かれるのって苦しい?
「ぅあ、あっああっ」
「ほら頑張ってよ」
上半身逸らして自分で動く春真、やらしい。
一生懸命なのに、オレはそれ見ながらお前のをしごいてるだけってのも良いよね。突き上げたくて仕方ないのが辛いと言えば辛いけど。
「やればできるじゃん。
キス、してあげるよ。おいで」
「ん、っんん──」
舌出しながら寄ってきちゃってかわいい。
もうこのままイッちゃうね。
「あき、あき──オレもう……っあ、んんぅ」
ちょっと、ナカ締めすぎ。
中途半端に出ちゃったじゃん。
それケツでイってるよね?
良いとは言ったけど。
「自分で擦り付けて、ちゃんと良くなってたんだ。やらしいよね」
はーオレ……まただ……。ブッスブスに凶悪な感情が込み上げてくるよ。これはまあ不完全燃焼だからな。
「あのさ──全然満足してないからね。
お前のリード、ヌルいんだよ」
挿入したまま押し倒された春真が不思議そうに見上げてる。
「オレまだイッてないんだって」
「んあ、っうあ……っ、速っ、
まだ、そんなの無理……っ」
それはごめんね。オレも無理。
やっぱりオレは嫌がるお前にやりたいようにする方が好き。散々待たされたんだから、思い切り叩きつけてぶち撒けるのは勘弁して。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
最後、またやりすぎたー。
気絶するみたいに寝ちゃったね。
……髪の毛サラサラで手触りいい。
「ん……」
あ、やべ。
もう起こす気ないから寝てていいよ。
「あきぃ……」
「あーごめん起きちゃっ──」
「ふふっ………やっ、だ……やめろよぉ……」
「…………」
いやオレ何もしてないけど。
目閉じたままクスクス笑って……あ、寝言?
ずいぶん平和そうだね。お前の夢。
大人しくオレに腕枕されて。胸に額グリグリ押し付けて。いつも勝手に後ろから抱いてるけど、本当はこうされたかった?
本心を曝 け出してくれたらしてやるのにな、いくらでも。こんなふうにキスして、お前をじっくり甘やかしてあげるのに。
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