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「っは、いい格好」  ホントにかわいいよ春真。  両手をタイで縛られて猿ぐつわ咬まされて、乱れたスーツを着たままなのもそそるよね。  でも極めつけは何されるか分かんなくて怯えたお前の顔だよ。 「ねえ、この後どうしよっか春真」  どうやったらオレの思い通りになんの。 「オレはお前のことばっかり考えてるのに、  お前は勝手でさあ」  あーこれ、ビジュアルはいいけどキスできないのが難点だね。お前も寂しいでしょ。ほっぺたにするから我慢して。 「もう挿れちゃおっか」  あ、いま震えたね。期待?  じゃあ応えてあげないとね。 「ん、んっんーっ、んんんぅ」 「っは──んぅっ、はあ、はぁ、はあっ──」  ああ──いつも以上にきっつい。 「すっごくいい春真。お前もでしょココこんなに締め付けてくるの気持ちいいからでしょ」 「んんんーっ」  あは。必死に首振ってるのかっわいい。  これで萎えてたりしたらオレも考えるけど──ガッチガチだよね、お前。 「なあもっと感じて。  オレがお前を犯してるとこ」  あーあ。涙で顔がぐちゃぐちゃ。  そんな顔しないで。  良心が痛むじゃん、ちょっとだけ。  涙舐めてあげるから泣かないでよ。  だけどさあ、そもそもはお前が悪いんだから。 「お前はオレの事だけ気持ち良くしてればいいんだよ。こんなに可愛がってあげてるのに、ちょっとチヤホヤされたからって尻尾振って着いて行ったらダメって、なんで分かんない?オレが嫌いなの?」 「んんんっ、んんっ」  あーそれいいね。眉毛ハの字にしてフルフル横に頭振るの。涙もこぼれてかわいそう度もアップだし。 「違うよねー。お前はオレが好きなんだよね」  固まっちゃった。縦に振ればいいだけでしょ。こんなに優しく頭なでてあげてるんだから頷きなよ。 「オレが好きでしょ?  ほら答えなよ。お前がぁ、」 「んんっ」 「好きなのは」 「っんぅ」 「誰だよ」 「んーっっ」  言うたびに奥突いたから聞こえてないかもね。それ以前に口塞いでるんだから答えるも何もないけど。  いっぱいいっぱいで見上げてくる目、  たまんないよ。 「……かわいいね」  キューって、また締まったね。  相変わらず乙女な性器。  ほっぺたもオレの手のひらに擦り寄せてきちゃって、お前は喋らないほうが素直で分かりやすいよ。  キス、したいなあ──口のタオルだけ外そうか。でもそしたら可愛くないこと言うんだろうな。監禁して洗脳でもしなきゃお前は変わらなさそうだよね。 「オレに好きになって欲しい?」  また……泣いちゃった。  涙の粒がぽろぽろ落ちて──きれいだね。  抱きしめてあげたら身体ごと擦り寄ってくるし。  オレに泣かされてるおまえ見るの、すごく気持ち良い。この春真、欲しいなあ。どこにも行けないよう閉じ込められればいいのかな。現実じゃ難しいよね。 「ねえ。ずっと一緒に居るにはさ、ちょっとはお前も素直にならなきゃだめだよ」 「んん、ん」  分かった?どっち?  涙に濡れた瞳がまっすぐにオレを見てる。  これだけじゃ判断つかないな。  もう猿ぐつわ取ってあげようか。  だからお前も歩み寄ってよ。 「オレを好きだって言ってみな」 「──秋彦が──好きだよ──」  何の表情も浮かんでない顔。  スウッ──って流れ落ちてくだけの涙。  切ないね、映画みたい。思わず見惚れたよ。 「うん──いい子だね春真。  でもこれはオレが言わせたからノーカン」  分かってるだろうけど。 「……もういいだろ動けよ。  オレをお前でいっぱいにしろ……」 「いいよ」  キスもしよう。やっとできるよ。  したまま抉って深いとこまで入ってあげる。 「ん、ふあ……あああっ、っや、くるっ、オレっ……」 「ダメまだイかないで?  もうちょっと我慢しな。  ほら、もっと気持ち悦く、なるよ」 「んぁああ……っ」  ははっ偉い、(こら)えた。  勝手にイッたらお仕置きだったよ。 「あき、手……外して。あきに触りたい」 「ダメ、かな。おまえ自由すぎるからオレと居る時は不自由でちょうど良いバランスなの」 「──っ、ごめんっ。もうあの人と会わない。  外してこれ。なあっ」 「あっははっ。かわいいね。  そろそろイこっか」 「っあ、や、あっ……は……や、だぁ。  とって、よぉ……っっ」 「ん、んぅっ──あぁ、っは、  ……いい……っ出る、春真イくよ──」  ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇  ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇  自由なのは秋彦だ。  秋彦は奔放で自分勝手で──  オレの世界を統べる王様だ。  オレは中学2年の時に秋彦を失った。  あいつに彼女ができたって意味じゃない。  オレは秋彦にフラれたんだ。  秋彦もオレが好きだったはずなのに  オレを選びは、しなかった──。

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