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14−4
その日の午後は治まらない身体の火照りを誤魔化しながら授業を受けた。何をやっても下半身の熱は取れず、呼吸をする度に勃起しそうで地獄だった。朦朧としながら帰宅して、ベッドに倒れ込み脚をバタつかせてズボンを脱ぐ。
股間が心臓になったみたいにドクンドクンと脈動している。下ろすのさえもどかしく下着に手を突っ込むと、痛いほど固くそそり勃ったものを扱き始めた。
これだけ反応していれば何も考えなくとも刺激だけでイけるのに、頭の中に秋彦が浮かぶ。
またオレはこんなこと──ダメだ──違う、
もう考えるな──。
ものの数秒で達して精を吐く。
罪悪感に深く息をつきながら残りを絞り出そうとして手が止まる。
──んでだよ、嘘だろ……。
解放されたばかりだというのに、そこはまた勃ち上がっている。ズグズグとした下腹の痺れも消えていない。
──ダメだよ……ダメなのに。秋彦ごめん、違うんだ──。
ペニスを扱く手は止まらない。
今さっきよりは刺激に鈍感になった為、
妄想は更に増幅する。
服を脱がせて肌を唇で辿り重なり合って──押し付けるなり擦り合わせるなりして感じたい。とにかくなんでもいいから触れ合いたい。
──なんでだよ。そんなこと望んでない。
なんでオレはこんなことばっかり……!
だが引かない熱に陶酔しきった脳は欲望を思い描く。
細身でも自分よりはバランスの良い筋肉で覆われた、しなやかな肉体。張りのある硬い腕で抱かれ、その手で隅々まで愛されたらどんな感じがするのか。
全ての細胞がゾワゾワとざわめいて興奮が満ちていく。暑くもないのにボタボタと汗が垂れ息が上がる。
なんでだよおかしいだろ──。
そんなことしたいはずない。
でも本当は……何も違わない……
オレは秋彦と……秋彦に──。
粗野で猛々しい欲望が身体の中にドロドロととぐろを巻く。僅かに残った理性も消えてからは、好きなだけ秋彦の身体を堪能する。幾度となく繰り返される淫行は、抱く時もあれば抱かれる事もあった。
オレはもう抗いはしなかった。
──どうせ妄想の中だけなんだから、
何をしたって構わない……。
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