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「────ふっ、んんうっ、っは、あぁ、  なんか、オレやばいって春真」 「んあ、っあ、あっ、あぁっ。  オレも、オレもっ」  理由は分からないけど感じまくってる。  なにこれカラダが変なんだよ。  春真もみたい。じゃあそうなんだよな。  どこが気持ちいいのかはっきりしない。  これ性欲からくる快感じゃないでしょ。  性感帯がいいだけじゃないんだよ。 「あっ、んぁっ、あっ、あっ」  春真の全身から力が抜けてて、オレが揺さぶる度に呼吸が喘ぎ声になって飛び出しちゃってる。オレの動きと春真の声が連動してて、二人で一つに混ざったみたい。  理性吹っ飛ぶ時とは全然違う、全身を包み込んで離さない快感で脳みそ溶けそう。 「っは、はあ、んっ、なんで、今日ムリぜんぜん保たない。は、ダメ。ダメだきもちい──っ」 「っき……あっ、んんっ、んっ、ふあっ、ひっ──っくっ、秋彦ぉ……」 「んぅっ、っくそ、ごめっ春真──もうイっ……んっっは──」 「はっ、あ──、っんんんっ」  なんか──数時間前にヤったとは思えないくらい早かった。射精止まんなかった。ヤっバいくらい良かったよね──んん?  ちょっとなんだよ春真!?  なんで、どうして泣いてんの!?  それガチでしょ。 「え?なに?すごい痛かった?」 「ち、が──なんでもな──ごめん、気にす、な──っ」 「気にするよ。どうしたのオレのせい?」 「ちが、う」  オレお前の泣き顔ならなんでも良いわけじゃないんだな。  早く止まって欲しいもん。  こんな理由の判らない涙。  ──抱きしめてたら少しは落ち着いた?  でもしゃっくりが残っちゃうくらい号泣したよね。 「大丈夫?ホントどうしたの」 「もう何でもない。自分でもわかんない、  ごめん……気持ち良すぎたのかも」 「……あんま言いたくない感じ?」 「──ん」 「本当に、もう平気?」 「うん」  お前がそう言うなら無理に聞かないよ。  感極まったセックスには違いなかったし。  すごく甘いキスを  してあげるくらいには不安になったけどね。  ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ 「じゃあまた来週ね」 「ん……いや、お前な、毎週来る必要ないだろ──今更だけど」 「今更だね」  お前それ、さっき晩飯に誘ったのにオレが食わないで帰ることにスネてんだろ。はっきり言わないけど絶対そうでしょ。せっかく玄関まで来てくれたんだから、もうちょっと可愛くお見送りしてよ。 「オレが帰ったら淋しい?」  見上げた顔は怒ってるみたいだけど「ねーよ」って即答しないだけ進歩したかな。 「今日は帰るね。また来週会お」  キスしやすいように屈んであげたのに。意地張ってると一週間後悔することになるよ。  ……それはオレもだから、してあげるけど。

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